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冲方丁:「この緊張は貴重」直木賞発表待ちパーティーを異例の公開 落選で「くやしいー!」

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直木賞発表の「大・待ち会」に登場した冲方丁さん

 作家の冲方丁(うぶかた・とう)さんが15日、第143回直木賞の発表を待つパーティー「大・待ち会」を東京都内で行った。冲方さんは「これほどの緊張、プレッシャーは味わえない。これが貴重。創作に影響すると思います。受賞したら感謝とプレッシャーで書かなきゃいけない。落ちたらコノヤロウと思って書く。どっちかです」と話したが、その後、中島京子さんの「小さいおうち」の受賞が決定。「あらためて今後の作品に期待するという選評でした。絶対にまたノミネートされるような作品を世に送り出したい」と落ち着いた様子で観客らにあいさつし、観客からは大きな拍手が上がると、「くやしいー! 結構ショックですね」とがっかりしていた。

 「大・待ち会」は09年11月に刊行された冲方さんの「天地明察」(角川書店)が、この日発表される「直木賞」の候補作品に選ばれたことから、同書にかかわった人々を招いて開催。候補作品の著者と出版関係者が集って文学賞の結果を待つ会はたびたび開かれるが、その会を一般にも公開するのは異例。

 「天地明察」は、江戸時代、囲碁棋士の名門に生まれ、初代天文方となった渋川春海の若き日、和算に打ち込み、時の老中・酒井雅楽頭に見込まれ、日本初の独自の暦となる「大和暦」を作り上げていく姿を成長物語として描いた沖方さん初の時代小説。第31回吉川英治文学新人賞、10年の本屋大賞を受賞した。

 「大・待ち会」では、元バンド「GO-BANG’S」のボーカル森若香織さんが司会を務めたほか、2人組ユニット「angela」が、冲方さんが手がけたアニメ「蒼穹(そうきゅう)のファフナー」の主題歌「Shangri−La」を披露した。また冲方さんが日本SF大賞を受賞した作品をアニメ化し、冲方さんが脚本も担当した今秋公開される劇場版アニメ「マルドゥック・スクランブル」(工藤進監督)などが紹介された。

 冲方さんは発表前に「直木賞は作家にとっての一つの大きな目標。自分を鼓舞するときに出てくるのが『いつか直木賞』という言葉が多い。70年間続いて賞への尊敬の念(がある)」と話し、「(候補作になったことが)今の僕にとって最大の成果」と話した。「待ち会」の公開については「編集者や奥さんと十数人でやりましょうというと後ろ向きになる。マスコミを入れないようにしようとか友人知人と連絡を取らないようにしようとか。それはやだなと思った。いまさらどうしようもないので、多くの人が楽しめる時間にしようと。やりたい放題やった方がいいと思った」と明かしていた。

 その後、冲方さんの携帯電話が鳴ると、ざわざわとしていた会場が静まり、冲方さんが「ダメでしたー!!」と大声で叫んだ。観客からは「あー!」「キャー!」と悲鳴が上がった。冲方さんは「ここまで導いてくださったみなさんに感謝しております。ノミネートの緊張を味わわせていただいたことを糧にして、いっそう優れた作品を書いていきたい」と語り、「この悔しさが財産。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。(毎日新聞デジタル)

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