とある魔術の禁書目録:電撃史上最高1000万部突破 大ヒットの秘密は?

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鎌池和馬さん作、灰村キヨタカさん画のライトノベル「とある魔術の禁書目録」(電撃文庫)1巻の表紙

 科学と魔術の相反する世界を舞台に、少年少女たちの日常、そして激闘を描くライトノベル「とある魔術の禁書目録(インデックス)」(作・鎌池和馬、イラスト・灰村キヨタカ)が人気だ。ライトノベルレーベル「電撃文庫」で、初となる1000万部を突破。連載から6年たっても伸び続ける人気の理由とは……。(毎日新聞デジタル)

 ライトノベルは、ファンタジーや学園ものをテーマにしたストーリーと“萌え系”のイラストの表紙や挿絵が特徴の青少年向け小説レーベルで、「ラノベ」と略され、テレビアニメなどの原作となって大ヒットする作品も多い。出版不況で、書籍の売り上げが落ち込む中、ラノベは09年に301億円を売り上げるなど、前年比約5%増、5年前からは約14%増(出版科学研究所調べ)に成長している。

 「とある魔術の禁書目録」の舞台は、超能力が“科学”として存在する「学園都市」。超能力を無効化する右腕を持つ高校生の上条当麻が、「インデックス」と名乗る少女と出会う。少女は約10万冊の魔道書を記憶していて、魔術の世界から追われていた。2人を中心に、多くの仲間たちとの学園生活のドタバタと、魔術や超能力が飛び交う激しいアクションシーンが展開。外伝2巻を含む計24巻が出版されている。

 作者の鎌池さんは、02年の電撃文庫の新人賞に応募して落選したが、「灼眼のシャナ」(作・高橋弥七郎、イラスト・いとうのいぢ)や、「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」(作・入間人間、イラスト・左)などのヒット作を送り出した編集者の三木一馬さんの目にとまった。三木さんは「応募作品の完成度は低かったが、テーマは見えるし、設定や面白いギミックが詰まっていた」と、鎌池さんに小説を何度も書かせて鍛えたという。その中の1本に、シスターの少女と不思議な腕を持つ少年の物語があった。その話を基に04年4月、「とある魔術の禁書目録」は発売された。舌足らずなシスターの愛らしさ、おせっかいな熱血少年のコンビは、読者の心をつかみ、同時にデビューした新人4人の中では最も売れ、07年にはマンガ化、08年と今年10月からの2度にわたってアニメ化された。また、ヒロインの一人を主人公にした外伝マンガ「とある科学の超電磁砲(レールガン)」(画・冬川基)も09年にはアニメ化されるなど、シリーズとしても大ヒットし、原作の売り上げもうなぎ登りだという。

 三木さんが見る鎌池さんの武器は、執筆の速さと企画力だ。ラノベでは、新人は年4冊程度を出版するという過酷なノルマが課せられ、キャリアを積むごとにペースが落ちる作家も多い。鎌池さんは6年間そのペースを維持。さらに「ヘヴィーオブジェクト」(イラスト・凪良)という別シリーズの連載も抱え、休日には、趣味でも小説を書くという健筆だ。

 「とある科学の超電磁砲」のアニメ化の際には、鎌池さんはすべての会議に出席してアイデアを出し、3カ月分のオリジナルストーリーのために、マンガ向けに練ったネタを惜しげもなく提供。企画がつぶれても、数日後に代案を出すなど、関係者を驚かせることも多いという。

 その企画力と筆力を生かして、100人以上の魅力的なキャラクターを次々と生み出し、巻を重ねても質が落ちない「仕掛け」が毎回施される。毎巻ヒロインを替えて、アクションやラブコメが展開され、敵キャラも魅力的で、「昨日の敵は今日の友」とばかりに、前巻の敵役が次の巻では味方になっていたりと、飽きることのない物語が繰り広げられる。鎌池さんは「ゴチャゴチャしている作品ですが、その中の一つでも、皆さまの琴線に触れるものがあれば……と願っています」と語っている。ますます広がる「とある」シリーズから目が離せない。

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