コミケ82:人気の理由は多様化 来場者増で新たな課題も

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「コミックマーケット82」に参加するため朝から長い列を作るファンら=東京ビッグサイトで2012年8月10日撮影

 マンガや小説などの創作物「同人誌」の即売会として人気の「コミックマーケット(コミケ)」。日本最大級のマンガのイベントとして知られるコミケは今回で82回目を迎え、10~12日の3日間で56万人を動員し過去最多タイ記録となった。その人気の理由を探った。(毎日新聞デジタル)

 1975年に始まったコミケは、わずか32サークル、700人の参加者だったが、サブカルチャーを趣味にする人たちのコミュニティーとして次第に参加者が増加。現在、年2回開催され、1回約3万5000サークルが参加、来場者は50万人を超える人気だ。昨年は東日本大震災の直後ということもあり、5年ぶりに減少したが、今年は3日目に1日の動員数としては過去最高となる21万人を記録。3日間でも56万人を集め、09、10年夏と並ぶ最多タイ記録だった。

 コミケのメーンは、同人誌を扱う「一般ブース」で、プロの作家やイラストレーターも参加しており、彼らの創作物を目当てに訪れる人も多い。午前10時の開場直後から来場者が詰めかけ、満員電車並みの混雑だった。

 また、人気アニメなどのキャラクターの衣装をまとう「コスプレ」を披露する「コスプレ広場」も盛況だ。昨年大ヒットしたアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」などのキャラクターが多く、ファンたちが熱心にシャッターを切っていた。

 人気アニメやゲームのグッズが売り出される「企業ブース」は、もう一つの人気スポットだ。当初、「アマチュアの表現の場だったコミケの趣旨に反するのでは」という反対意見もあったが、「プロやアマの立場を超えて、表現の可能性を見直す」という狙いで96年から本格的に実施されたが、今では企業ブース目当ての来場者も増えた。今回は約140ブースが出展、2000人以上が列を作るところもあった。

 その企業ブースだが、従来出版社やアニメ会社、ゲーム会社など、サブカルを扱う企業ばかりだったが、今回、鳥取県やインターネット検索大手のグーグル、飲料大手のサントリー、女優・宮崎あおいさんが出演するテレビCMでおなじみのアパレルブランド「アースミュージック&エコロジー」といったサブカルになじみのない企業・団体が出展した。これまでのブースは物品販売がメーンだが、新規企業は販売促進に重点を置いていた。サントリーは、人気の清涼飲料水「C・C・レモン」を若い世代にアピールするため、インターネットで募集したイラストを実際に缶にプリントして展示した。

 創作物はマンガの占める割合が圧倒的に多いが、著名な批評家が書いた商業誌に載せられない話、業界人しか知らない裏話満載の本、スポーツの観戦ルポなど多岐にわたり、各人が好きなことを好きなように表現していることが分かる。学生時代から足を運び、今回もプライベートで参加したという30代の大手ゲーム会社社員は「コミケは風物詩。好きな作品に囲まれ、同じ趣味の人と顔を合わせて交流できるのがいい」と話していた。

 一方、人気の高まりに伴い、過密化が問題になっている。通常のイベントとは違い、営利団体ではなく、ボランティアのスタッフによるコミックマーケット準備会が運営しており、「参加者も当事者だから、客気分で来ない」という不文律があるが、新たな来場者はルールを知らず、運営側の負担になっているという。準備会は「若い人たちが明らかに増えた。(新規層にルールを)どうやって周知していくかが課題」と話している。

 海外からの来場者も多いコミケ。“オタクの祭典”から、日本最大のイベントへ発展した。今後も世界から注目を集めそうだ。

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