朗読少女:乙葉しおりの本の小道 第85回 オー・ヘンリー「魔女のパン」

ブック コラム
「魔女のパン(オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 3)」著・オー・ヘンリー、訳・千葉茂樹(理論社)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第85回はオー・ヘンリーの「魔女のパン」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 あるジャンルを代表する事柄・場所・人物などを言い表すとき、「日本三大○○」「世界三大××」といった表現をよく聞きますよね。

 本にもこの「三大」はたくさんあるのですが、今回はその中からお話の中で活躍する「世界三大探偵」をご紹介したいと思います。

 ・シャーロック・ホームズ

 英国の作家アーサー・コナン・ドイルさんの手によって生みだされた、「名探偵の代名詞」とまで言われる人です。趣味の化学実験を行う姿や、トレードマークのパイプを持つ姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?

 ・エラリー・クイーン

 普段は推理作家、事件となれば警察官の父を助け難事件を解決する探偵さんで、同名のアメリカの作家さんの手によって誕生しました。ちなみに作家さんの名前は、物語担当のフレデリック・ダネイさんと、文章担当のマンフレッド・ベニントン・リーさんの合作ペンネームなんですよ。

 ・エルキュール・ポアロ

 元祖「ミステリーの女王」イギリスのアガサ・クリスティさんによって生まれた、ベルギー人で元警察官の肩書きを持つ探偵さんです。なお、9月15日はアガサ・クリスティさんの122回目のお誕生日(1890年生)ですので、次回はポアロさんの初登場作品をご紹介したいと思っています(^−^)

 ではここで朗読倶楽部のコーナー、今回は朗読倶楽部のメンバーの一人、甲原(かんばら)みかえさんのお話です。

 1年ほど英国に語学留学をしていたというみかえさんは、私のひとつ年上の同級生。頭がよくて運動もできて、お友達であると同時に私が目標とする人のひとりでもあるんですけど、そんなみかえさんにも「苦手」としているものがあります。

 それは何かというと……意外なことに「英語」なんです。

 初めてみかえさんからこのことを聞いたときは、謙遜か、あるいは冗談なのかと思いました。

 英語の語学留学をしていたのに、一番苦手な教科が英語というのがまずびっくりですよね。

 しかも、苦手と言っても成績は悪いどころか学年トップクラス、もちろんテストでは満点を取るほどの実力があって、ネイティブスピーカーの先生が早口でまくし立てても余さず聞き取り、通訳できてしまうほどのヒアリング能力があるんですよ。

 部長さんも私も、テスト前にみかえさんの力を借りられるかどうかで英語の成績が大きく左右されてしまう程なんです。

 では、そんなみかえさんがなぜ、英語を「苦手」というのか……その理由は、次回お話ししたいと思います。

 それでは次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

■しおりの本の小道 オー・ヘンリー「魔女のパン」

 こんにちは、今回は9月11日にお誕生日を迎えたアメリカの作家オー・ヘンリーさんの生誕150年を記念して、前回に続き短編作品から「魔女のパン」をご紹介します。

 このお話は彼が亡くなられた翌年の1911年に発表された短編集「Sixes and Sevens」に収録されました。

 ミス・マーサは、街角の小さなパン屋さんのオーナーです。

 慈悲深い性格で、貯金もあって安定した暮らしを送る彼女ですが、良縁には恵まれなかったのか40歳になった今も独身でした。

 しかし、そんな彼女の前に気になる男性が現れました。

 彼は週に2、3度彼女の店を訪れ、売れ残りのパンばかりを買っていきます。所々傷んだ服を着ているものの、身ぎれいにしていて礼儀正しい中年の男性。手に画材でついたような汚れがあることから、彼が「売れない画家」に違いないと考えた彼女は、試しにお店の目立つ場所に絵画を置いてみました。

 すると、期待通り彼はその絵画に興味を示し、遠近法の批評もしてみせたのです。

 それからのマーサさんは普段しなかったおめかしをするようになり、自分の貯金を使って彼の芸術を支援することを夢見るようになりました。

 ところがお相手の彼は日を追うごとにやつれていき、買っていくのも以前と変わらず残り物の味がないパンだけで、ますます貧しくなっていくように見えます。

 慈悲深い彼女は彼にごちそうしてあげたいと思うものの、それは芸術家特有のプライドを傷つける行為だと知るだけに、なかなか一歩を踏み出すことができません。

 そんなある日、マーサさんは彼の買っていく売れ残りのパンに、ある細工をすることを思いつくのですが……。

 このお話の原題は英語で「Witches' Loaves」です。

 「Witches(ウイッチーズ)」は、「魔女」のことですが、実は他にも「老婆」、「魅力的な女性」と、複数の意味を持っていて、このお話でも複数の意味が通じるようにつけられた題名なのか、訳者の解釈で「善女のパン」という題名で呼ばれることもあります。

 魔女というと童話の悪役の定番ですが、善人かつ魔女が作ったというパンの中身は一体何なのでしょうか?

 ぜひ一度、読んでみてくださいね。

 ※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。

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