朗読少女:乙葉しおりの本の小道 第98回 チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」

ブック コラム
「クリスマス・キャロル」著・ディケンズ(新潮文庫)の表紙(左)と乙葉しおりさん

 美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第98回はチャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」」だ。

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 皆さんこんにちは、乙葉しおりです。

 12月も後半に入り、「年末年始は予定が目白押し」という方が多いと思います。12月21日は冬至(とうじ)、以前ご紹介した夏至(げし)の反対に、夜が最も長くなる日です。普段は12月22日なのですが、およそ4年に1回の割合で21日になるとか。

 こんなときはゆず湯にゆっくりつかって体を温めて、風邪の予防をしてみてはいかがでしょうか。

 そしていよいよクリスマスも間近になりました。まだプレゼントに迷っている方、本を贈る、という選択肢はいかがですか?

 12月16日はそんな本にも関係のある「紙の記念日」。1875年のこの日、東京の王子で抄紙(しょうし)会社が操業を始めたことにちなんだ記念日なんです。ちなみに当初の原材料は今日使われている木材パルプではなく、木綿やわらを使っていたそうですよ。

 さて最後は恒例、お誕生日のご紹介を。12月16日は、アーサー・C・クラークさんのお誕生日です(1917年生まれ・英国/スリランカ)。豊富な科学知識を生かして執筆された「2001年宇宙の旅」で有名ですね。

 同じく16日にはもう一人、フィリップ・K・ディックさん(1928年生まれ・米国)。SF映画「ブレードランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や歴史改変SF作品「高い城の男」で知られています。

 続いて18日は、サキさんのお誕生日です(1870年生まれ・英国)。本名はヘクター・ヒュー・マンロウさん。欧米ではあのオー・ヘンリーさんに並ぶ短編の旗手と評価されている方で、日本でも多くの作品が翻訳されています。

 最後に21日は、松本清張さんのお誕生日です(1909年生まれ)。多数の作品を幅広いジャンルで発表し、「点と線」「砂の器」「黒革の手帖」などの傑作を生みだしました。

 ではここで、朗読倶楽部のお話……朗読倶楽部部長・丙絵ゆいさんのお話・その6です。

 家庭訪問で訪れた部長さんのお部屋は、思いのほか質素な雰囲気に包まれていました。

 玄関でのやりとりは部長さんのオーラを感じて誰も何も言えなかったものの、いざお部屋にあがらせていただいてその扉が閉まると、どうしても皆の視線は部長さんに集中してしまいます。

 初めはどこから切り出したものかと思案顔の部長さんでしたが、やがて隣の部屋にいるお母様には聞こえないくらいの小声でこう言ったのです。

 「弟が欲しいって、思ったことある?」

 「え、ええと、思ったことはありますが」

 「うちは妹がいますから」

 「いや、ないな。一人っ子にわずらわしさを感じるときもなくはないが……」

 予想だにしない質問にみんなはとっさに答えたものの……。

 「その質問と、今の状況説明の関連性がつかめんのだが」

 続く先生の言葉は、みかえさんと私の感想も代弁していました。これに対し、「別に話をそらそうとしてるわけじゃない」という部長さん。

 部長さんは一人っ子だと聞いてますが、弟を欲しがることと普段よりおしとやかなことに、一体何の関係があるでしょうか……と、いうところで、今回はここまでです。

 次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)

 ◇しおりの本の小道 チャールズ・ディケンズ「クリスマス・キャロル」

 こんにちは、今回ご紹介する一冊はクリスマスにまつわる物語、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズさんの「クリスマス・キャロル」です。

 ディケンズさんは1843年のクリスマスシーズンに発表したこのお話の後、翌1844年の「鐘の精」、1845年の「炉端のこおろぎ」、1846年の「人生の戦い」、1848年の「憑(つ)かれた男」と、ほぼ毎年にわたってクリスマスにまつわる物語を発表しました。

 以上5作品は「クリスマス・ブックス」と総称されていますが、その中でも第1作に当たる本作は特に知名度が高く、作者代表作の一つに数えられています。

 このお話を翻案した映画「三人のゴースト」も有名ですね。

 スクルージさんは無慈悲で強欲な商人として知られ、周囲の人は誰も近づこうとしません。まれに訪れるお仕事以外の来客は、募金のお願いは当然のこと、純粋におじを気にかけているおいまでも追い返し、ただ1人雇っている事務のボブには薄給しか与えず、何か気に入らないことがあればクビにするぞと脅す始末。

 かつてはマーレイさんという仕事の相棒がいたのですが、7年前に亡くなってしまいました。しかも彼は盟友の死を前にしてなお、いつもの彼らしく葬儀代をバーゲン価格のように値切ってみせたのです。

 彼にとって慈悲の心など、わずらわしく忌むべきものでしかありませんでした。そんな誰も寄せ付けないスクルージさんの前にクリスマスイブの夜、なんと死んだはずのマーレイさんが現れます。強欲に生きた罪の一つ一つが鎖となり、死後体中を鎖で縛られ苦しんでいるマーレイさんは、友人が自分と同じ運命をたどらないよう警告に来たのでした。

 運命を変えるには3人の精霊の訪問を受けるように言われたスクルージさんは、自分がかかわる過去・現在・未来の三つの世界を目の当たりにするのです……。

 クリスマスというと日本ではどうしても「お祭り」のイメージが先行してしまいがちですが、このお話のように今一度自分の過去・現在・未来に思いをはせる日にしてみるのも、良いのではないでしょうか?

 ※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。

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