スタジオジブリ:最新作「風立ちぬ」は宮崎駿の遺言? 鈴木敏夫Pが裏テーマ明かす

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「風立ちぬ」中間報告会見で作品への思いを語る鈴木敏夫プロデューサー

 7月公開のスタジオジブリ最新作「風立ちぬ」(宮崎駿監督)の中間報告会見が6日、東京都内で行われ、鈴木敏夫プロデューサーがヒロイン・菜穂子の声優を務める女優の瀧本美織さんとともに登場した。会見はトークショー形式で行われ、2人が音声収録の様子や、作品の見どころを語った。鈴木プロデューサーは、まだ完成していないものの、その完成度に自信を見せ、「本人に『この映画は宮さん(宮崎監督)の遺言なんですかね』って聞いたら、『かもしれない』って」と、意味深な発言も飛び出した。

 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの総監督である庵野秀明さんが主人公・二郎の声を担当した収録の様子について、瀧本さんは「(宮崎監督と庵野さんの)2人とも指示を出すので、どっちのいうことを聞いたらいいのか……」と苦笑しながら振り返った。鈴木プロデューサーも「宮さんがOK出す前に、庵野がOK出すのは面白かった!」と語り、ラストシーンでは「(せりふを)吹き込んだあとに、庵野が『素晴らしい。最高ですよ』と褒めまくったら、宮さんは立ち上がって『ありがとうございます』って言ってました」と明かし、瀧本さんも「庵野さんは『宮さんにこんなラストが作れるんだね!』って言ってました」と笑顔でうなずいた。

 今作では戦闘機の音などの効果音を人間の声で吹き込んでいることも明かされたが、鈴木プロデューサーは「音にこだわると、だんだん神経質になっていって、本物の音を使おうとか、すごくエスカレートしていく。でもそれが本当に正しいんだろうか。人間の声でやってみようというのは、宮崎が言い出した。本物かどうかじゃなくて、らしく聞こえるかどうかだ」とその経緯を説明。最終的には人選が代わったが、「最初は宮さんが『俺と鈴木さん2人だけでやろう』って言い始めて……(笑い)。ジブリって、家内制手工業なんで、やれることは自分でやっちゃう」と、ちゃめっ気たっぷりに語った。

 “遺言”発言については「70歳を過ぎてアニメを作るって大変なんですよ。いつ異変が起きるか分からない」と72歳の宮崎監督の思いを代弁。「今回は空に憧れ、飛行機に憧れた少年の話。でも、彼が大人になって作らなきゃいけなくなったのは戦闘機で……。宮さんはこの映画の中で、裏テーマとして、仕事とはなんだろうと問いかけているんですよ」と持論を展開し、「意義がある仕事にはなかなか出合わないけれど、やっていればいいと思える瞬間がある。それが仕事っていうものだよね、と感じさせてくれる映画。宮さんは『目の前のことには力を尽くしてやろう』という言葉を、後世の人に残したいんだろうと思った」と熱く語っていた。

 宮崎監督が「崖の上のポニョ」以来5年ぶりに描く最新作「風立ちぬ」は、雑誌「Model Graphix (モデルグラフィックス)」(大日本絵画)の09年4月号~10年1月号に自身が連載した原作を基に、堀越二郎という実在のゼロ戦の設計者の生涯と結核の美少女が登場する堀辰雄の「風立ちぬ」をイメージした物語。この日は、瀧本さんのほか、西島秀俊さん、西村雅彦さん、元・スタジオジブリ取締役のスティーブン・アルパートさん、風間杜夫さん、竹下景子さん、志田未来さん、國村隼さん、大竹しのぶさん、野村萬斎さんが声優を務めることが発表された。7月20日に全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)

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