孤独のグルメ:番組プロデューサーが語る人気の理由 「リアルさ」にこだわり

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ドラマ「孤独のグルメ Season3」で大食漢の主人公・井之頭五郎を演じる松重豊さん=テレビ東京提供

 久住昌之さん原作、谷口ジローさん作画のグルメマンガを俳優の松重豊さん主演で実写化した連続ドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)の「Season3」が放送中だ。大食漢の主人公・井之頭(いのがしら)五郎を演じる松重さんが、ただひたすら一人でおいしいものを食べ続ける姿を描くドラマで、12年1~3月のSeason1、同年10~12月のSeason2に続き、早くも3シーズン目に突入した。同ドラマがインターネットを中心に話題を集めた理由について、同局の川村庄子プロデューサーは「リアリティーを含むドラマがウケたのかもしれない」と分析する。リアルさにこだわった撮影や食ドラマの魅力について聞いた。(毎日新聞デジタル)

 雑誌「週刊SPA!」(扶桑社)で不定期連載中のマンガが原作。輸入雑貨商を営む五郎が、仕事の合間に立ち寄った飲食店で食事をする姿が描かれている。登場する飲食店のほとんどが実在する大衆食堂で、料理に対するうんちくが披露されるわけではなく、五郎の食事シーンと心理描写を淡々とつづっている。ドラマでは、Season2で好評だった甘味処(どころ)のメニューや軽食を食べるシーン、原作者の久住さんがドラマで登場した街のグルメを紹介する「ふらっと QUSUMI」コーナーなども番組内に登場する。音楽は、久住さん率いるバンド「The Screen Tones」が担当している。毎週水曜午後11時58分に放送。

 ドラマについて、「食の情報を含めたグルメドキュメンタリードラマ」と表現した川村プロデューサーは「紹介やタイアップではなくて、本当にリアルにスタッフが街を歩いておいしいというものを、CGなどを足したりせず、リアルに見せたことが真新しいと思われたのでは」と力を込める。

 原作との違いは「原作で登場したお店をドラマでは使わないこと」だといい、“ロケハン隊長”と呼ばれる番組の吉見健士プロデューサーを中心に、「平均年齢30代後半くらい」のスタッフたちが毎回地道に店を探している。同局では、情報バラエティー番組「出没!アド街ック天国」などグルメ情報を扱う番組もあるが、他の番組と情報の共有は行わず、「一番はおいしいということ。敷居が高くなく、中年男性の五郎さんが一人で気軽に入れること」などを基準に、スタッフが地道にお店を選択している。

 食事シーンでは、松重さんが本当においしそうに食べている表情が印象的だ。「おいしさも五郎さんの反応も“リアル”なものであるべきだ」という考えから、松重さんはテスト撮影では食べずに、本番で初めて料理を食べるという。食事は「お店の方に必ず作ってもらっている」ことから、お店の人が作った出来立ての料理を初めて食べる松重さんの表情が映し出される。食事シーンの撮影は正午をまわることが多いというが、1回の撮影で2~3人前食べるということもあり、松重さんは朝食、昼食を抜いて撮影に臨んでいるという。川村プロデューサーいわく、その日初めて食事をした松重さんは、「相当おいしそうな顔をしている」という。

 番組で紹介された店舗は、行列ができたり、お店が混雑するなどの現象も起きている。川村プロデューサーは、視聴者の反応について「単純に『おいしかった』や『松重さんがおいしそうに食べる顔に癒やされる』などがある」という。また、食ドラマの魅力について、「一番身近な癒やしなんだろうと思う」と話し、「おいしいものをおいしそうに食べる。作りものじゃない顔でうれしそうに食べる。松重さんが五郎さんになって食べるというのがリアルに伝わっている」と力説する。

 現場のスタッフたちは「ファミリーのよう」と表現する川村プロデューサーは「これからも自分たちが面白いと楽しみながら突き進んでいることを大切にしたい」と前向きだ。「Season4」については「まずは今のSeason3ですが、今後応援いただければ可能性はあります」と続編に含みを持たせた。

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