ドラゴンクエスト:スマートフォンへ本格展開 スクエニの狙いは?

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「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」の画面

 累計6200万本以上を出荷するスクウェア・エニックスの人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズが、スマートフォンへの展開を本格化させている。11月28日から「1」のゲームアプリを無料配信した(12月10日で無料期間終了)のを手始めに、12月12日からは「8」のゲームアプリ配信も始めた。「1」はわずか1日で100万ダウンロード(DL)を達成し、急きょ無料期間を延長するなど話題となった。その狙いを探った。(毎日新聞デジタル)

 ◇狙いはユーザーの囲い込み

 スクウェア・エニックスが配信しているのは、正確には「ドラゴンクエスト ポータルアプリ」という無料の情報アプリだ。アプリは、ドラゴンクエスト関連の情報が更新される「ドラクエニュース」と、ゲーム本編がプレーできる「最新アプリ」からなり、期間限定の無料配信で話題になった初代ドラクエは、この「ポータルアプリ」を経由して、ダウンロードしたり、プレーできる仕組みだ。

 つまり、必ずポータルアプリを経由して情報を見てからゲームをプレーする流れになるが、これが同社の狙いの一つだ。スクウェア・エニックス・ホールディングスの広報室は「PCでは『ドラクエ・パラダイス』という公式サイトがあるが、スマートフォンの利用者にもドラクエの情報を届けられるようにしたかった」と話す。

 ポータルアプリは初日の100万DL以降も好調で、その後350万DLまで伸ばした。500円の価格設定だった初代ドラクエのゲームアプリを無料配信したことで単純計算で約15億円の売り上げを失ったわけだが、300万人のファンを数日間で“囲い込んだ”ことを考えると、その宣伝効果はむしろ大きかったといわざるえないだろう。

 ◇「8」単独配信は利便性を考慮

 「ドラゴンクエスト8」の配信開始はポータルアプリの発表があった4日後に発表されたが、ポータルアプリなしで遊べる単独アプリとなり、囲い込みの戦略の“外”にある。「8」単独配信の理由について同社広報室は「全部のゲームをポータルアプリから配信すると、重くなり不便になるので、総合的な判断から避けた」と明かす。

 「8」はPS2で発売された作品でデータ容量が大きいため、ユーザーの利便性に配慮したといい、ポータルアプリで展開するのはデータ容量が少ないファミコン時代の1~3にすると発表したのはそのためだ。つまりファンの囲い込みよりも、あえて利用者の利便性を取ったわけだ。

 また、「1」の無料配信時、初日の28日にアクセスが集中したためか、検索しても「ポータルアプリ」が表示されなかったり、ダウンロードできない時間帯があり、結果として落とせなかったユーザーが出るなど、人気が集中したための問題点も明らかになっており、同社はその点にも配慮し単独アプリとしたという。つまり、かたくなにポータルアプリへこだわるのでなく、利便性を考慮し、状況に応じた展開をしたわけだ。

 ◇転換期の業界を象徴

 ドラクエは、合併前のエニックス時代から「そのときに最も普及しているハードで出し、多くのユーザーに届ける」ということを明言している。「7」はPS、「8」はPS2、「9」はDS。現在サービス中の「10」はオンライン専用ゲームだ。ドラクエ生みの親の堀井雄二さんは、既に01年にはオンラインゲームに目をつけており、むしろオンラインゲームが成長するのを約10年待ってから展開している。

 その「石橋をたたいて渡る」ドラクエが、スマホの展開に一気に本腰を入れてきたのは、「専用ゲーム機がメインとなる時代は終わった」という判断を、スクウェア・エニックスが下したとも言える。広報室は「ドラクエは、ブラウザーゲーム(ドラゴンクエスト モンスターパレード)もあるように、いろいろなデバイス(機器)で出ている。どこか一つというより、いろいろな形で触ってもらいたい」と多面展開の一環と説明しているが、スマホへの傾斜を強めたのは動かせない事実。ゲーム市場の主役が専用ゲーム機から、スマートフォンへ移りつつある象徴的な出来事といえそうだ。

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