弱虫ペダル:ブームで“自転車女子”急増 業界も熱視線

アニメ マンガ

 自転車競技をテーマにしたアニメ「弱虫ペダル」(弱ペダ)の放送を機にマンガ・アニメファンの女性の間で自転車ブームが起きている。アニメ・マンガファンの女性にとって“聖地”とも呼ばれる東京・池袋の乙女ロード(通称)にほど近い自転車専門店では、同作のテレビアニメがスタートした昨年10月ごろから20~30代の女性客が倍増した。お目当ては、作中でキャラクターが愛用している自転車で、中には20万円以上するプロモデルを購入する女性ファンもいるといい、自転車業界もカタログにキャラクターを採用するなど熱視線を送っている。「弱ペダ」の人気で急増する“自転車女子”の現状を追った。

 ◇高額モデルを購入するファンも

 「弱ペダ」は、渡辺航さんが週刊少年チャンピオン(秋田書店)に連載中のマンガが原作。フィギュアやアニメが大好きな小野田坂道が、入学した千葉県の総北高校でロードレースと出合い、仲間と共にインターハイ優勝を目指す……というストーリー。コミックスは32巻まで発売されており、累計発行部数は850万部を突破している。

 池袋の自転車専門店「ワイズロード池袋」ではアニメの放送開始前、女性客の多くはカップルだったというが、放送開始後、女性同士や女性一人の来店者が増え、女性客が倍増したという。同店のスタッフは「『弱ペダ』ファンの女性は初心者でも、20万円以上するモデルをいきなり購入される方もいます。とりあえず始めたい方は10万円程度のモデルを選ぶようです。自転車を買わないが、作中に登場するモデルを見るだけの方も多いですね」と話す。

 主人公・小野田坂道はスイスのBMC、友人の鳴子章吉はイタリアのピナレロというように「弱ペダ」のキャラクターの愛車の多くは高価な海外メーカーのモデルだ。輸入代理店の関係者によると、アニメの放送開始後、展示会に女性の来場が急増し「これまで少なかった女性が増え、自転車の写真を撮影する姿を見るようになった」という。

 また、ベルギーのリドレーの自転車を輸入するJPスポーツは、カタログのイメージキャラクターとしてリドレーの自転車を愛車としている人気キャラクター・東堂尽八を起用。ワイズロード池袋では、カタログを求める女性ファンが殺到し、一時は入手が困難になったほど人気だという。

 ◇キャラクター愛が購入後押し

 コスプレタレントの綾川ゆんまおさんも「弱ペダ」にハマリ、自転車を購入した一人で、鳴子が乗るピナレロの中古を約20万円で手に入れた。綾川さんはこれまで、野球やサッカー、バスケットボールなどのスポーツマンガにハマってきたが、実際にプレーしようとしても、仲間を集め、道具をそろえ、プレーする場所を探すのが難しかったというが、「自転車は一人でも気軽にできるし、ダイエットにもなるとも思って……。安くはありませんが、思い切って購入しました」と一念発起して購入した。

 女性ファンはコスプレを楽しむ感覚で自転車を購入しているようだが、綾川さんは「普段、コスプレをしていない女の子も自転車を買っている。コスプレとは少し違う」と否定する。「『弱ペダ』は自転車に乗っている際の感情表現が丁寧に描かれているので、ファンは実際に自転車に乗りながら、キャラクターの気持ちを共有したいと考えている」と話すように、“キャラクター愛”が購入を後押ししているようだ。

 ◇自転車ブームの火付け役に期待

 軽音楽部のメンバーが主人公のアニメ「けいおん!」がヒットした際は、20万円以上するギターを購入するファンが続出し、楽器業界は特需に沸いた。弱ペダの場合はまだ、「売り上げが急に伸びたわけではない」(自転車輸入代理店の関係者)というように特需までには発展していないのが現状だが、「自転車業界としては注目している。今は女性ファンが中心だが、『キャプテン翼』でサッカーブームが起こったように、子どもにも自転車人気に火が付くきっかけになれば」と期待を寄せている。

 アニメは深夜放送ということもあり、子どもの人気を得るのは難しいかもしれないが、少年の成長や友情といった少年マンガの王道ストーリーを描いているということもあり、自転車女子急増をきっかけに、自転車人気が幅広い層に浸透していくことも考えられる。

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