注目映画紹介:「ノア 約束の舟」 アロノフスキー監督の想像力とCGを駆使した映像に圧倒

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「ノア 約束の舟」の一場面 (C)2014 Paramount Pictures.All Rights Reserved.

 旧約聖書にある「ノアの箱舟」伝説をラッセル・クロウさん主演で映画化した「ノア 約束の舟」が全国で公開中だ。映像化不可能とされてきた領域に、「ブラック・スワン」(2010年)のダーレン・アロノフスキー監督が挑み、壮大な人間ドラマとして完成させた。「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのエマ・ワトソンさんが、家族の命運を握るノアの養女役で出演している。

 クロウさんが演じるノアは、ある夜、眠りの中で、堕落した人間を滅ぼすために、すべてを地上から消し去り、新たな世界を作るという神のお告げを聞く。大洪水が来ることを知ったノアは、妻ナーマ(ジェニファー・コネリーさん)と3人の息子(ダグラス・ブースさん、ローガン・ラーマンさん、レオ・キャロルさん)、養女イラ(ワトソンさん)とともに、罪のない動物たちを守る箱舟を作り始める。やがて、ノアの計画を知った宿敵トバル・カイン(レイ・ウィンストンさん)が舟を狙い始める中、ついに大洪水が始まり……という展開。

 赤いリンゴが木から落ち、蛇が脱皮する。ノアが目を閉じると、足元の血の海がせり上がり、人類は巨大な波に飲み込まれていく……。「レクイエム・フォードリーム」(00年)や「ファウンテン 永遠につづく愛」(06年)といった過去の作品で見せた、アロノフスキー監督の幻想的で魅惑的な描写は今作でも存分に発揮されている。コンピューターグラフィックス(CG)を駆使して作られた箱舟の内部や、箱舟に乗り込む動物たちの描写には、そのスケール感に圧倒され、箱舟が大洪水に見舞われる場面では息を飲んだ。聖書に通じていない筆者には、アロノフスキー監督の解釈うんぬんを語ることはできないが、原書ではわずか数ページのエピソードを、ノアの苦悩や妻ナーマの献身ぶり、さらにノアと息子たちの確執などにまで押し広げ、物語を作り上げる創作力におそれ入った。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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