松重豊:実は小食…… “夜食テロ”の裏側語る

テレビ
「孤独のグルメ」にかける思いを語った主演の松重豊さん

 中年男がただひたすらに一人で飯を食らう深夜ドラマ「孤独のグルメ」(テレビ東京系)の人気が止まらない。2012年にシーズン1がスタートすると、深夜に食欲を刺激された視聴者から“夜食テロ”と呼ばれて話題になり、取り上げられた飲食店には行列ができるなど反響は大きく、現在「Season4」が放送中だ。主人公・井之頭五郎を演じるのはさまざまな作品で活躍する個性派俳優の松重豊さん(51)。“食べるだけ”と思われがちな同作だが、松重さんは撮影のために「極限まで空腹に追い込んでいる」と意外な苦労を明かす。松重さんに同作にかける思いや撮影の裏側を聞いた。

 ◇食事シーンに視聴者くぎづけ

 「孤独のグルメ」は、久住昌之さん原作、谷口ジローさん作画のグルメマンガが原作。個人で輸入雑貨商を営む五郎が、仕事の合間に見つけた飲食店にふらりと立ち寄り、一人で食事をする姿を描いた深夜ドラマだ。こわもての松重さんが顔をほころばせ、実にうまそうに料理を食べながら、「うーん、間違いない」「やっぱり肉はいい。体が燃えたぎる」「うおォン。俺はまるで人間火力発電所だ」などと“心の声”を一人語る姿が一部の視聴者をくぎづけにし、熱心なファンを生んでいる。

 放送開始当初は「誰が見るのだろうと懐疑的だった」というものの、他の撮影現場でも共演者らから「ぜひ出たい」といった声をよく耳にするようになり、番組の反響を実感しているという松重さん。一度の食事シーンで2~3人前はありそうな料理をたいらげる五郎とは対照的に、意外にも「食が細い」といい、撮影のために「極限まで空腹に追い込んでいるんです」と明かす。

 ◇リアルな表情を追求 食事制限で「完全空腹状態」に

 その理由は「お店の人が作ったできたての料理」を初めて食べるリアルな表情を映し出すためだ。食事シーンの撮影はおおよそ午後2~3時過ぎだが、松重さんは撮影前日から食事制限し、当日の朝もヨーグルトを食べて胃袋を“調整”するだけ。あとはひたすら食事を我慢して「本当に完全に空腹な状態」を作り上げていき、本番で初めて料理にありつけるという寸法だ。

 お陰で「一口目は相当うまいんです」と笑顔で語る松重さん。「自分が五郎だというのは一瞬忘れてますね。『ただ松重が腹減ってる』という部分も五郎に乗っけているところはある。演技なのかフィクションなのかドキュメンタリーなのか、そのへんの境目は自分でもわからないですね」と笑みがこぼれる。ただし、撮影の後半戦は「胃袋の体力勝負」と“小食”ゆえの悩みも付け加えた。

 ◇五郎役で“責任感” キムタクの誘いも断り……

 「SMAP」の木村拓哉さん主演の“月9”ドラマ「HERO」(フジテレビ系)にも出演しているが、撮影現場でも「孤独のグルメ」が話題になるといい、松重さんは「なぜか意味もなく、食べるシーンがついてくる。なんで?っていう」と苦笑い。翌日に食事シーンの撮影があると飲み会を断念しているといい、「キムタクの誘いを何度断ったか……。もったいないですよね」と残念がっている。

 「もともとおいしいものに対してのあくなき探求心があった」という松重さんは、地方ロケなどでの“一人飯”の際、地元の名店のような飲食店を「足で探して入るようにしている」といい、「(『孤独のグルメ』に主演する)“職業”上、責任感に変わりました」ときっぱり。「この仕事をやった以上宿命。楽しめる範囲でお店をのぞいていこうかなと思っています」。松重さん自身の“孤独のグルメ”もまだまだ続きそうだ。

 「孤独のグルメSeason4」は毎週水曜午後11時58分から放送中。

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