アニメ質問状:「俺物語!!」 主要3人はチームでオーディション

アニメ マンガ
「俺物語!!」の場面カット(C)アルコ・河原和音/集英社・「俺物語!!」製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、巨漢の男子高校生の恋愛と友情を描いた「俺物語!!」です。日本テレビチーフプロデューサーの中谷敏夫さんに作品の魅力を語ってもらいました。

 --作品の概要と魅力は?

 身長2メートル、体重120キロ、女の子にはモテないけれども人望はものすごく厚い高校1年生、剛田猛男。彼が、通学中に痴漢から助けた少女、大和凛子に恋をするところから「俺物語!!」は始まります。猛男、大和の関係に、クールで超イケメンな猛男の幼なじみ、砂川誠を交え、3人の日常が展開していく作品です。

 原作の「俺物語!!」は本格少女マンガにして少年マンガの魅力を兼ね備えた稀有(けう)な作品で、この作品ならではの魅力は大きいところで三つあります、

 一つ目は少女マンガなのに、主人公がイケメンじゃない男の子であること。

 二つ目は(以前アニメ化を手がけた)「君に届け」が女同士の友情だとするならば、「俺物語」は少女マンガでありながら男の友情も描いていること。

 三つ目はコメディーの要素とドラマの要素が高い次元で共存していること。
 「俺物語!!」は王道の少女マンガでありながら、非常にさまざまな要素を兼ね備えた、あらゆる人が楽しむ事のできる作品です。

 --アニメにするときに心がけたことは?

 俺物語は「泣き」の部分と「笑い」の部分が交互にやってくる作品です。そこで、とにかくドラマとコメディーのメリハリを意識した構成・脚本作りを心がけました。

 原作の持つ「笑って泣ける」というところを成立させるためには脚本だけでなく、セリフや音楽の「間」がものすごく重要です。音響チームは、泣ける作品も多い劇場版の「クレヨンしんちゃん」を手掛けるチームと組ませてもらっているのですが、この作品は音楽やセリフの「間」が1秒ずれただけでも笑えもしない、泣けもしない、全く成立しなくなってしまう類いの作品なので、そういった部分をものすごく丁寧に作っています。

 --猛男役の江口拓也さんをはじめ、大和役の潘めぐみさん、砂川役の島崎信長さんの起用理由は?

 キャスティングに関して一番難しかったのはやっぱり猛男ですね。猛男は「かっこいいのにかっこ悪い」「かっこ悪いのにかっこいい」というすごくファンタジーな役です。普通ならこういったキャラクターは太い声の役者さんを起用するところなのですが、原作者であるアルコ先生、河原先生から「猛男はブサイクではありません」というお話をいただき、いわゆる典型的な太い声の役柄で実績のある役者さんというよりは、猛男、大和、砂川の3人の同級生であったり、幼なじみであったりという、関係性のリアルさを重視してやっていきたいと考えました。

 江口さん、島崎さん、潘さんの3人は一つの番組で集うのは初めてだそうなのですが、それぞれにお互いにつながりがあって、何より同年代で3人とも仲が良いんです。「俺物語!!」が猛男と大和の恋、そして猛男と砂川の男の友情の物語ということもあり、今回のオーディションは3人とも受かるか3人とも落ちるか、というチーム戦のような形式で受けていただきしました。すると3人できっちり役を作ってきてくれて、これなら大丈夫だ!ということでキャスティングしました。

 個別の役の話になりますが、猛男を演じてもらう江口さんはものすごく身長が高くて、ほぼ猛男と同じといってもいいぐらいです。楽器として人体の構造を考えたときに、猛男と身長の近い江口さんの体から出てくる声こそがリアルな猛男の声に近いはずだということで、オーディションに来てもらって話し合いながら声を作ってもらいました。

 砂川は猛男とは対照的な役で、ただただクールなだけに見えるけれども、猛男に対する気持ちといったところではちゃんと温かい気持ちを持っています。島崎さんは「それでも世界は美しい」「寄生獣 セイの格率」にも出演してもらいましたが、内に秘めた熱さをクールな芝居のなかで魅せるということができる人ですね。精度の高いお芝居をこれまでの作品の中で見せてもらったので、この役は彼をおいてほかにないなと思いました。

 大和は、ほんとうにいちずに猛男のことを想うピュアな女の子です。この役をやるにはお芝居の中に一点の曇りもない、強いパワーみたいなものが必要だと考えました。潘さんには過去に「HUNTER×HUNTER」でゴンを、「ちはやふる2」では大和とは違うタイプの女の子である菫ちゃんを演じてもらいました。また一方ではプリキュアで主役をやったりと、非常にパワフルでかつたくさんの引き出しを持った役者さんです。彼女にこの役へ挑戦してもらうことで、ちょっとした含みとか芯の強さみたいなものを持った、「ただ単にかわいいだけの女の子ではないな」という大和を見せてほしいなと思いました。

 --作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 上にも書きましたが、キャスティングと音の「間」の取り方が本当に大変でした。

 他に強いて挙げるとするなら、少女マンガでありながら、ドラマであり、コメディーであり、そして普通ならスポ根作品のキャラクターである猛男を中心にラブストーリーが展開していくというところで、「俺物語!!」は非常に特殊な作品です。同様に少女マンガでありながら正統派のスポ根要素を兼ね備えた「ちはやふる」にも通ずるものを感じ、そういった多面的な作品をテレビシリーズでやるとなると、「ちはやふる」も手がけた浅香守生監督の右に出る方はいないということで、お願いしました。

 作品自体が特異なぶん、監督をはじめとして各方面のクリエイターを招請するにあたり非常に気を使いましたが、この作品のためにこれだけのクリエーターが集まってくれたことを本当にうれしく思います。

 --今後の見どころと、ファンへの一言をお願いします。

 「俺物語!!」は本来ならラブコメ作品のクライマックスのはずの「付き合う」というイベントが最初にあるという、ちょっと変わった作品です。しかし、第1話から最終話まで、制作チーム一丸となって皆さんの予想を超える形で駆け抜けてまいります! 老若男女問わず楽しめる、そして見る人の数だけ入り口がある王道のエンターテインメント作品だと思いますので、アニメが大好きな方はもちろん、普段はアニメを見ないという方もぜひ一度ご覧ください!

 日本テレビ コンテンツ事業部 専門副部長 チーフプロデューサー 中谷敏夫

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