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バケモノの子:“夏のアニメの王道”目指す プロデューサーが明かす製作の裏側

アニメ 映画
「バケモノの子」を手がけたスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサー

  劇場版アニメ「サマーウォーズ」(2009年)や「時をかける少女」(06年)などで知られる細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」(12年)以来3年ぶりの新作「バケモノの子」が11日、公開される。日本を代表するアニメ監督の一人といわれる細田監督の新作ということもあり、注目を集めている今作について、アニメを製作したスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサーにコンセプトや製作の裏側を聞いた。

 ◇変容する社会における新しい家族の形

 「バケモノの子」は、人間界とバケモノ界が存在する世界を舞台に、孤独な少年とバケモノの交流を描くアニメ。熊徹は、バケモノ界の渋天街(じゅうてんがい)で一、二を争う強さを誇るバケモノで、9歳の時に両親と離ればなれになり、渋天街に迷い込んだ九太の師匠となる。

 新作のテーマは子供の成長だ。齋藤プロデューサーは、コンセプトについて「少年が不思議な世界に行って、大人になるという夏の劇場版アニメの王道。大人と子供が一緒に楽しめる作品を王道の文脈にのっとって、堂々とやろうと考えた」と説明する。子供の成長がテーマとなったのは、「おおかみこどもの雨と雪」の公開後、12年に細田監督に第1子となる男児が誕生したことが大きく影響しているという。齋藤プロデューサーは「監督が子供を見つめる視線の中で、変容する社会で子供たちの未来をどうとらえるか? 成長に対して大人が何をすべきか? そんなことを映画を通して考えていきたい」と話す。

 九太は、バケモノの熊徹の弟子になって、修行する中で成長していく。また、九太と修行する中で熊徹も成長していくことになる。齋藤プロデューサーは、九太と熊徹の成長について「子供の成長は、血のつながりがない人もコミットしていくことになる。大人が子供に育てられるようなところもあり、子供の成長に関わることで人生が豊かになっていく。社会が子供の成長に寄与していく新しい家族の形を描きたかった」と語る。

 ◇アクションは「蛇拳」へのリスペクトも

 同作は、アクションも見どころの一つだ。齋藤プロデューサーは「『おおかみ~』は静謐(せいひつ)な映画だったけど、今回は体を動すことによるバイタリティーを表現したかった。アクションや修行はわくわくドキドキしますね。細田監督は(ジャッキー・チェンさん主演のアクション映画)『蛇拳』へのリスペクトがあったとも言っていました」と話す。

 アクションシーンなどもあることから、「バケモノの子」のカット数は「おおかみこどもの雨と雪」の約1.5倍に及ぶといい、齋藤プロデューサーはその苦労を「監督を筆頭に、すさまじい才能のスタッフ、キャストが集まっている中、作品と格闘しながら、ぎりぎりまで全身全霊を懸けて作った。監督が“抜け殻”になるくらい注ぎ込みました」と明かすように、製作は困難を極めたようだ。

 ◇細田監督は映画を信じている

 齋藤プロデューサーは「時をかける少女」でもプロデューサーを務めるなど細田監督の作品を支えてきた。最後に、齋藤プロデューサーから見た、細田監督の作品に取り組む姿勢や素顔について聞くと、「人間なので、いろいろな面はあると思うけど、真面目で純粋な人だと思います。自分を律し、映画に対して真摯(しんし)でありたい、観客の皆さんに楽しんでもらいたい。そういうことは言葉で言えるかもしれないけれど、常に意識して、そうあるべきだという気持ちでいる方です。それに、覚悟をもって真剣に映画に取り組む。映画を信じている……」と話した。「バケモノの子」は11日から全国で公開。

 <プロフィル>

 1976年生まれ。99年にアニメ制作会社・マッドハウスに入社し、プロデューサーの丸山正雄さんに師事。細田監督作品では「時をかける少女」「サマーウォーズ」などでプロデューサーを務めた。2011年にマッドハウスを退社し、細田監督とともに「スタジオ地図」を設立した。

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