2015年のアニメ:劇場作品が存在感 伏兵の“大化け”も

アニメ
2015年のアニメを振り返る小新井涼さん

 2015年も終わりを迎える。週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴する“オタレント”の小新井涼さんがさまざまニュースがあった2015年のアニメを振り返る。

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 2015年も残すところあとわずか。放送、配信、上映とさまざまな形でアニメに楽しませていただきました。そんな今年のアニメをひとことで言い表すとしたら、今年は一体どんな年だったのでしょうか。まずは放送された作品をクール別に振り返りながら考えてみたいと思います。

 一年の幕開けとなる冬クールは、「艦隊これくしょん-艦これ-」「アイドルマスター シンデレラガールズ」という原作人気の高い注目作の放送と共にスタートしました。劇場版発表や続編放送とそれぞれ話題にも事欠かず、ソシャゲのアニメ化もすっかり定着した今年を象徴する2作品です。一方、そんな話題作の中で思わぬダークホースとなったのが「美男高校地球防衛部LOVE!」でした。全力ギャグへの意外な男性ウケもあり、夏には早くも第2期決定の発表があったことからも、放送終了後まで根強い人気があったことがよく分かります。

 続く春アニメでは、学園ものが多いという記事を書かせていただいた通り、部活に懸ける少女たちを繊細に描いた「響け! ユーフォニアム」や、漢気溢れる少女マンガ原作のラブコメ「俺物語!!」が印象的です。しかしオタク界にちょっとした社会現象を生み出すほど話題となったのは、意外にも学園ものではなくファンタジーの「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(ダンまち)」でした。個人的に取っていたpixivの統計でも、放送前にはおよそ50であったタイトルヒット数が、放送開始から1カ月で一気に3500近くまで跳ね上がったことから、アニメファンが放送時に受けた“例の紐”のインパクトの強さがうかがい知れます。

 放送後の反響といえば、続く夏アニメも「オーバーロード」「監獄学園」「干物妹!うまるちゃん」などが、放送開始と共に盛り上がりをみせていました。中でも初回放送時の衝撃が一番大きかったのは、なんといっても「がっこうぐらし!」です。原作を知っている人はさぞニヤニヤしたであろう、放送前から1話ラストまでに仕掛けられた数々のトリックは、初見の身にはいい意味で大変ショッキングなものでした。

 ラストを飾る秋アニメでは、「ルパン三世」「ワンパンマン」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」などが放送前から注目されており、それらは放送が始まった後も期待通りの反響を受けていたように思います。そんな中、放送前には思いもしなかったほどの高い女性人気をみせたのが「おそ松さん」です。こちらもダンまちと同じくpixivでのタイトルヒット数が放送前の約60から放送後の1カ月でおよそ6000に、さらに現在は50000以上にまでふくれ上がっていることから、現在進行形でその熱気をリアルに感じることができます。

 ここまで振り返ってみると、2015年は「美男高校地球防衛部LOVE!」に「ダンまち」に「がっこうぐらし!」に「おそ松さん」にと、どのクールでも放送開始前後の盛り上がりにギャップがある作品が話題となっていた印象です。

 ネットを中心に放送前から情報が充実している昨今、見る側も前評判をある程度把握した上で1話を視聴できるため、逆に放送開始までは騒がれていなかった作品が“まさかここまで”という盛り上がりをみせたことが、予想外の驚きとインパクトを与えたのかもしれません。

 そんなある意味、放送開始と共に“化けた”といえる作品が印象的な2015年は、一見平凡にみえるけれど戦況によっては最強のクイーンにもなりうるチェスの駒、“ポーン”を想起させる年だったと言えるのではないでしょうか。

 そして、放送に限らずアニメ界全体を振り返ると、今年は“劇場作品の年”であったように思います。

 アニメの劇場上映の新たなスタイルとして「2週間限定公開」が定着し、OVAの先行上映やシリーズものやリメイクなど、オリジナル作品に限らずバラエティに富んだラインナップでした。

 長期上映に関しても、「ラブライブ!The School Idol Movie」や「バケモノの子」、「心が叫びたがってるんだ。」などは普段アニメを見ない人たちからの認知度も高く、その盛り上がりも含め、一昨年の「進撃の巨人」を彷彿とさせるお祭り作品であったようにも思います。

 放送や配信など、アニメのリリース方法が多様化する中、その原点とも言える劇場上映で新たなスタイルや多くの話題作が生まれたのはなんとも印象的な出来事でした。

 そんな2015年の締めくくりとして、最後は独断と偏見による勝手なアニメオブザイヤーを紹介して終わりたいと思います。

 作品部門「ラブライブ!The School Idol Movie」

 脅威の興行成績、紅白出場、そして劇場版のラストを思わせるμ’sのファイナルライブ宣言など、話題の絶えない一年を振り返っても、まさしく2015年の顔であったと言える作品でした。

 キャラクター部門「剛田猛男」(俺物語!!)

 少女マンガの主人公としての意外性、見た目のインパクト、それも込みで惚れてしまうぐらいの漢気と大和への一途さに、“米俵のように担いでもらいたい系男子”という新たなジャンルを開拓してくれた強烈なキャラクターです。

アニソン部門「かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!」(干物妹!うまるちゃん)

 耳から離れなくなるイントロ、干物妹と美妹の見事なキャラ変、「“食う! 寝るzzz 遊ぶ♪”の3連コンボ」という名言など、この曲を聴けばこのアニメがどんな作品かが一発でわかる、アニソンと呼ぶにふさわしい名曲だと思いました。

 ◇プロフィル

 こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。

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