小新井涼のアニメ考:「見逃し配信」の利点と発見

アニメ コラム
東京ビッグサイトを訪れた小新井さん

 週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴し、アニメを使った町おこしのアドバイザーなども務める“オタレント”の小新井涼さんが、アニメにまつわるさまざまな事柄についてつづります。第19回は、アニメ全視聴を行っている小新井さんが重宝しているという「見逃し配信」について語ります。

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 早いもので4年目に突入した毎週のアニメ全視聴。

 「どうやって見ているの?」とお尋ねいただくことが多いのですが、現在は以前コラムで書かせていただいた時より「nasne」やHDDを増設、レコーダー3台でトリプル録画まで可能にし、PS Vitaで空いた時間に視聴という方法をとっています。

 「torne mobile」の登場で録画予約やビデオ管理も簡単にできるようになり、最近では「アニ・メーター」や「アニxme」などのアニメ視聴を管理、補助してくれるありがたいアプリのおかげで、始めた当時に比べてより万全な体制になりました。

 そんな数々の新しいサービスの中でも特に勢いを増し、今では全視聴をする上で決して欠かせない存在となったのが、“見逃し配信”です。

 全視聴で注意したいのは、年末年始のような特番が重なる時期や、新番組の録画設定が必要な編成期ですが、レコーダーの補強と補助アプリでのチェックのおかげで無事に視聴を満喫できています。

 一見すると“見逃し”とは縁の遠い環境ですが、私が一番恐れているのが“録画の失敗”。中でも一番厄介なのが、編成期も過ぎて安心しているころに訪れるイレギュラーな放送時間の変更です。

 一週間楽しみに待っていた作品が見られない時の絶望感といったら……。“録画失敗”の赤いエラー表示が私の目には死兆星にみえてきます。

 そんな時に助けを求める先こそが“見逃し配信”なのです。最近では放送中のタイトルでも週遅れなく配信されるものが多いので、特に「ラスト10分だけ録れてない!? (北斗の拳)イチゴ味みられないじゃん!!」という絶体絶命の時などは本当にありがたく思います。

 全視聴生活における“見逃し”配信は、私にとっては“録り逃し配信”という世紀末の救世主となってくれているのです。

 もう一つ忘れちゃいけないのが、過去のタイトル見放題のうれしいサービス。それこそお正月などには未視聴作品という名の“今までの見逃し”を一気見!なんてぜいたくな時間を楽しむこともできるのです。

 しかし一方で、その便利さについつい甘えてしまうのは最近の個人的な反省点でもあります。“いつでも見られる”という安心感は“いつでもいいか”という慢心につながり、逆に放送中の作品以外を新規開拓する機会が減ってしまうのです。

 お正月の福袋の“いつか使うよねアイテム”のように、持っているだけで満足して「結局一度も使わなかった……」とならないよう、未読書籍の“積ん読(つんどく)”ならぬ未視聴作品の“積みアニメ化”には今後も気をつけたいと思います。

 そして、メリットや注意点を感じさせながらも、いつの間にか全視聴生活にすっかり溶け込んでいた“見逃し配信”。それは気づかぬうちにもうひとつ、私のアニメ視聴に変化を起こしていました。DVDやブルーレイなどの映像ソフトの購入動機が、“何度もみたい”から“完全なコレクション目的”になってきていることです。

 好きな作品は何度でもみたいという気持ちは変わりませんが、映像ソフトを持っているのに、視聴は配信サイトで行ってしまうことがあり、その一見ちぐはぐな行動には自分でも驚いてしまいました。

 “いつでもどこでも視聴できる”という見逃し配信の気軽さは、映像ソフトを本来の“見るためのもの”から“持って、飾って満足するもの”に変えてしまう力すらあるのかもしれません。

 アニメの全視聴も4年目に入り、たくさんの作品と出会えるだけでなく、環境や技術と共にアニメの視聴方法も変化するということを、身をもって体験できる試みでもあることがわかりました。

 そしてここ数年で作品やサイト数、サービス内容が飛躍的に充実した“見逃し配信”は、それを気づかせてくれる一つのきっかけにもなったのです。
◇プロフィル

 こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。

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