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コミケ:会場確保に徹夜組…日本最大級イベントの“2020年問題” 共同代表に聞く

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3日間で53万人が来場した「コミックマーケット90」

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)90」が14日、3日間で約53万人が来場し閉幕した。国内最大級の動員数をほこるアマチュアイベントとして知られ、今ではテレビのニュースでも取り上げられるまでになった。一方で、2020年の東京五輪開催時の会場確保の見通しが立ってない問題や、「徹夜での行列禁止」を強く打ち出しているにもかかわらず数千人が徹夜で列を作るという課題もある。コミケの現状と課題について、主催であるコミックマーケット準備会の市川孝一共同代表に話を聞いた。

◇会場確保問題は「時間がほしい」

--コミケの現状は?

 これまでと変わらずで、参加者がこなれてきたというのが率直な感想。大きな変化としては、外国人の参加者が増えている。受付での対応も、直前の問い合わせも数が増えている。世界コスプレサミットの参加者も来場したが、皆コミケの存在を知っていて「一度は来たかった」と言っていた。2020年での東京五輪でも外国人の参加者が増えることは考えられる。

--東京五輪の20年に、五輪がらみでビッグサイトが押さえられてしまう可能性がある。20年夏にビッグサイトでコミケは開けるのか?

 正直に言えば分からない。ビッグサイトの工事計画は来年以降のものは出ていないから、会場が借りられるかどうかも、これからいろいろな可能性を想定して考えないといけない。空間がダメなら時間を使う。例えば、開催期間を長くしてカバーするのか。それとも離れた会場を使ってその間を埋めるか。ベストはないかもしれないが、ベターを探りたい。

--名古屋や大阪開催についてのアンケートで、約3分の2が参加すると意思表示した。

 アンケートの結果には驚いている。愛があってうれしいが、実際に(名古屋や大阪で)やるとなれば、考えないといけない。もちろんビッグサイトでやりたいのが本音で、それがダメなら近辺でやりたいし、開催できない可能性もある。「あと4年しかない!」と言われる人もいると思うが、情報もないし、少し時間がほしい。東京五輪は文化の祭典でもあるので、どうなるかは周りの状況、場所、時間、社会の動きもある。

--コミケの開催は、テレビなどにニュースとして取り上げられるようになった。かつてに比べて理解は出てきたと思うが。

 コミケ、オタクという言葉が一般市民に届いてきていると思うし、それはうれしいことだ。1980年代から90年代は「オタク」という言葉に厳しい時代があったが、今では車や旅行、食べ物、いろいろなことに「オタク」という言葉が幅広く使われるようになった。地位は向上して市民権は得たとは思う。

--昨年に幕張メッセで開催した「コミケットスペシャル」だが、東京ビッグサイトが使えない場合のテストだったのか?

 そう考えてもらっていい。幕張メッセも選択肢の一つだ。インフラがどうか、実際にやってみる必要があり、考えがあってやっていることだ。大阪、名古屋でも広い会場はあるし、さまざまな選択肢はあるが、やはりビッグサイトで開催できるのがベスト。

--ビッグサイトが使えないと、会場が狭くなるので縮小開催になりそうだ。

 縮小は、みんなががっかりしてしまうので、同じ規模をどこまで維持できるか頑張りたい。(たくさんの)サークルの申し込みがあるのに、抽選で漏れる数が増えるのはベターとはいえない。いろいろな表現があって、いろいろなものがあり、誰か来ても“刺さる”ものがあるのがコミケだ。

 ◇冬のコミケは最大規模に

--企業ブースは会期が2日間になった。出展企業の声はどうか。

 場所を4階から1階に変更して、屋外の展示場が使えないので、列を整理できるよう通路を広くした。企業からの反応は場所に関しては「4階よりも涼しい。クーラーの効き、日差しが違う」と好評だった。ただ宣伝で声優などを呼ぶイベントは(企業ブースの人の少ない)3日目だったから、今回は呼べなかったという報告もあった。2日夜の撤収、設営もハードだったのでそこは反省点として考えたい。冬からは3日間に戻すことになる。また冬は東館の7、8ホールができるので、そこに一般サークルを入れることを考えている。おそらく最大規模のコミケになるはずだ。

--企業ブースに出展する企業が、これまではエンタメ系一色だったが、近年はマルイ、ホンダ、サントリーなどのエンタメとは無縁の企業が増えている。準備会の方針として意図的に増やしているのか?

 一般の企業は昔はいなかったが、出展希望が増えているのは事実。これらの企業は注目されており、プロモーションもうまいので目立っているのではないか。意図的に増やしているわけではない。もちろん一般企業が増えているのはうれしいし、出展の申し込みがあるとビックリしている。ただ出展希望が多く、抽選が大変なのはその通り。企業は事前に稟議を通してから申し込みをしてくるから、落選すると困ると思うが、「申し訳ない」としかいえない。理想は出展企業が皆出られるようにはしたいので、少しでもかなえられるよう工夫したい。

◇徹夜対策は「する意味をなくす」

--禁止しているにもかかわらず、コミケに参加するため数千人規模の徹夜組がいる。対応は難しいのか。

 各所からいろいろいわれているので、やめてほしいのが本音。事件になる可能性もあるし、徹夜をした人は熱中症、体調不良にもなりやすい。これは言い続けるしかないし、手を打っている。

--具体的には?

 コミケの会場に素早く入れるようにして、徹夜をしても、始発などの早朝で来てもほとんど変わらないようにする。徹夜をする意味を失わせることを考えている。確かに徹夜をすると最初の同人誌を買う「ファーストアタック」は少し有利かもしれないが、次の同人誌を買う「セカンドアタック」「サードアタック」を含めて考えると、徹夜組は体力的、そして判断面でも無理をしているから不利になる。ましてやコミケは3日間あるから、体力の差は大きい。昔は正午や午後1時にフリーで入れるようにしていたが、今は10時の開幕から1時間後には列を入れて、午前11時半にはフリーで入れるようになっている。

--徹夜組を力ずくで排除するのは得策ではないと。

 18歳以上が深夜に並ぶのは法律違反でも条例違反でもないのは確か。安易に力ずくで徹夜組を排除して、トラブルや事故を起こすのも得策ではないから、実質的に徹夜をする意味をなくしたい。実際、りんかい線の駅でも遅めの列車が混むようになるなど成果は上がっているから、ボディーブローのように効いている。繰り返すが徹夜はしないほうが参加者のためで、皆の負担を増やしていることを認識してほしい。何にしても徹夜組をどうするかは大きな問題。今の対策がダメなら次を考えるし、排除するにしても事件や事故を起こさないようにしたい。コミケは40年かけてここまで来た。変えるのも地道に取り組まないといけないだろう。

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