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竹野内豊:「庵野総監督の中に矢口と赤坂がいる」 映画「シン・ゴジラ」で首相補佐官役

映画
映画「シン・ゴジラ」について語った竹野内豊さん

 俳優の竹野内豊さんが怪獣映画「ゴジラ」の12年ぶりの日本版新作「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督・脚本、樋口真嗣監督・特技監督)で、内閣総理大臣(首相)補佐官の赤坂秀樹役で出演している。赤坂は、長谷川博己さんが演じる若くて情熱あふれる内閣官房副長官の矢口蘭堂と好対照で、冷静に周囲を見極め、政府の中でうまく渡り歩いている人物。演じた竹野内さんに、「シン・ゴジラ」に出演した感想や演じた役柄、長谷川さんや石原さとみさんとの共演について聞いた。

 ◇予算の大小は関係ない

 竹野内さんは今作に出演が決まって、「ゴジラは日本の代表作ですし、それを庵野さんと樋口さんの組が製作をするということにも驚きましたし、興味深いなと思いました。参加できるだけでも光栄という気持ちでした」と振り返る。

 竹野内さんにとって、ゴジラの思い出は「1954年の最初のモノクロのゴジラですね」といい、今作のゴジラと比較して「初代のゴジラは高さ50メートルで国会議事堂が65メートルですから、映像を見ると国会議事堂より低いんですよね。それが今回は118.5メートルですから。本当に字のごとく『シン・ゴジラ』だ、と」と改めて驚いていた。

 また、「ハリウッドのゴジラも見たんですけれど、あれもフルCGでものすごい迫力で、すごいなと思ったんですけれど、今回、製作費がハリウッドの何十分の1の製作費で作られたと聞いて、『シン・ゴジラ』を見たときに『予算の大小は関係ない。日本でしか表現できないテーマで、ここまでの作品が作れるんだと誇りに思いました』と。ある意味、昔の日本、昭和の日本映画全盛の時代を彷彿(ほうふつ)とさせるような、一切、海外の作品を意識していない100%メイド・イン・ジャパン感をすごく感じたんですよ」と力を込める。

 竹野内さんは、今作について「ハリウッド版ももちろん素晴らしいのですが、根本的にハリウッドのゴジラとは全く違うので、おそらく相当世界から反響があるんじゃないか」と実感している。竹野内さんが感じる斬新な部分は「どの分野に関しても気を使っていないところ。日本政府に対しても、国をまたいでアメリカなどにも気を使って作っていない。庵野さんと樋口さんがやりたいことの信念だけを貫いている。そういう部分がおそらく世界から注目されるんじゃないのかなと思います」と分析する。

 ◇矢口の熱さはすごく共感できる

 ハリウッド作品は怪獣同士のバトルがメインだが、「シン・ゴジラ」は日本政府対ゴジラの構図になっている。そのため政府に携わる人間たちのドラマの部分もかなりの割合を占めているが、その中で赤坂は運良く、すいすいと上に上がっていくスマートな人物だ。演じた赤坂について、竹野内さんは「スタッフとも話したことがあるんですけれど、赤坂は矢口とは対照的な人物。自分だったらどっちかなと考えたときに、赤坂ではないですよね。矢口の熱さはすごく共感できる。でもやっぱり赤坂がやっていることもすごく正しい。おそらく庵野さんの中に、矢口と赤坂の二面性というか、2人存在しているんじゃないのかなと思ったんです」と話し出した。

 続けて、「たぶん庵野さんの中に、矢口のように後先のことを考えず、自分の思ったことを気持ちで突き進んでいく部分と、一方で赤坂のような冷徹というか、そういう人間もいるんじゃないかと」と二面性を強調する。

 そして「だから庵野さんの中に世界情勢だったり、今の日本のさまざまな問題点だったりをもっとこうすればいいじゃないかという矢口と赤坂の目線があって、矢口のような気持ちは人間ですから強くあるんですけれど、庵野さんなりに赤坂目線で今回のゴジラというのは製作していたのかなと思いますね。これは庵野さんに聞いてみないと分からないですけれど」と想像する。

 ◇長谷川博己は政治家になり切っていた

 矢口を演じた長谷川さんについて、「素晴らしいなと思いましたね。長谷川さんとは今回初めてご一緒させていただいたんですが、映画に対する知識が本当に幅広くて、いろんなことを知っているんです。自分が演じるということに対してすごく真面目で、長谷川さんが矢口をうまく演じたというより、もう矢口にしか見えなかった。政治家にしか見えなかったんですよね」とそのなり切り方を絶賛する。

 米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン役を演じた石原さんについては、「今回台本を読んだときに石原さんの役は難しい役だなと思って。単純に英語のせりふがあるからということではなく、日本語で話すときも難しいだろうなと思ったんですね。石原さんがそういう立場(米国特使)で日本語でせりふを話すときは、どういうふうにやるのかなって、ちょっと楽しみだったんですけれど、見事なまでになり切っていて。それは石原さん自身が秘めている熱さなのかなと」と見ている。

 そして「こんなこと偉そうに言えないですけれど……」と前置きした上で「石原さんは本当に今回、新境地なんじゃないか、と。いままでの自分の殻を突き破って、新境地に達している。すごく努力家の方だと思うので、本当に石原さんは今回、相当努力したんじゃないかなと思いますね。その気迫がスクリーンからも伝わってきますよね。それが今回の石原さんの役と非常にリンクしていたような気がします」とたたえる。

 ◇映画館の大スクリーンで見たい

 最後に、竹野内さんに見どころを聞くと、「見どころをここって言えるような、そのスケールにはまっていない映画だと思いますね」といい、竹野内さん自身は完成した作品を試写室で見たというが、「これは試写室で見るスケールじゃないなと思ったんです。試写室レベルのスクリーンじゃなくて、映画館のもっと大きな、できる限り大きなスクリーンで見たいなと思いました。ぜひ楽しんでください」とメッセージを送った。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1971年1月2日生まれ、東京都出身。94年、ドラマ「ボクの就職」(TBS系)でデビュー。その後、ドラマ、映画を中心に話題作、人気作に出演。2001年に映画「冷静と情熱のあいだ」(中江功監督)で第25回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。2011年には「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」(平山秀幸監督)に主演し、第54回ブルーリボン賞・主演男優賞を受賞するなど、安定感のある演技で高い評価を得ている。

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