「借りぐらしのアリエッティ」(2010年)や「思い出のマーニー」(14年)で知られるスタジオジブリ出身の米林宏昌監督が8日、ジブリ退社後、初めて手がけた劇場版アニメ「メアリと魔女の花」の初日舞台あいさつに出席。「ジブリ超えの期待がかかっていますが」という質問には「おこがましいです」としながらも、「宮崎駿監督から学んだことなどが大好きで、それと同時に宮崎監督を超えていかなければならないと思っていた。スタジオジブリを乗り越えていく気持ちで(作品を)作った」と感慨深げに語った。
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米林監督は「すごく苦労することがいっぱいでした。ジブリの時は宮崎監督の作品を作るためにスタッフたちが集まって頑張るというところからのスタートだった」と振り返りながら、「改めていろいろな人の力で作品は完成すると(感じた)。ありがたい気持ちでいっぱいです」と充実した笑顔を見せた。
また、西村義明プロデューサーも「(映画を作ったスタジオポノックは)ジブリのスタッフが8割ぐらいいる。自分たちが最後に作ったのが『思い出のマーニー』ですから、やはり言いたい。自分たちの中のジブリは超えたい。もう一歩、前に進みたい」と力強く話しながらも、「過酷すぎて10キロ痩せました。あまり思い出したくない」と苦労を明かした。さらに「今はジブリが解散しちゃって、子供も100万人くらいしか生まれていない。子供が主人公の映画が作りにくくなっている」と現状を分析しながらも、「子供たちに向けた映画を作れるプロダクションが生まれたことがうれしい」と笑顔を見せた。
この日は、声優を務めた杉咲花さん、神木隆之介さん、小日向文世さん、佐藤二朗さん、渡辺えりさん、大竹しのぶさんも出席した。
「メアリと魔女の花」は、英国の女流作家メアリー・スチュアートさんが1971年に出版した児童文学「The Little Broomstick」が原作で、背が低く、クセ毛に赤毛にそばかすの平凡な11歳の少女メアリが、ひょんなことから奇想天外な大冒険に巻き込まれ、勇気を持って前に進む姿が描かれる。杉咲さんが主人公・メアリの声を担当するほか、天海祐希さん、満島ひかりさんらも声優として出演している。
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