人気アニメ「それいけ!アンパンマン」(日本テレビ系)の劇場版「それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星」(矢野博之監督)が、30日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほかで公開される。劇場版30周年記念作品。おなじみの「アンパンマンのマーチ」の歌詞にある「なんのために生まれて、何をして生きるのか」というシリーズの原点ともいうべきテーマにスポットを当てている。
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テレビアニメ第1話にも登場し、アンパンマン誕生のきっかけとなった命の象徴のような存在「いのちの星」が物語に大きく関わってくる。ある日、バイキン城の地下の巨大なごみ箱「ハイパーゴミキエール」から、好奇心旺盛でちょっと不思議な子、クルンが現れる。ばいきんまんやドキンちゃんたちと仲良くなったクルンは、ばいきんまんとはぐれた時にパトロール中のアンパンマンと出会い、アンパンマンや仲間たちとパン工場で楽しい日々を過ごすようになる。だがある夜、黒い星が降ってきて木や草が枯れる事件が発生。「いのちの星」の故郷に異変が起きているかもしれないと考えたアンパンマンたちは、「いのちの星」の故郷を目指して宇宙へと出発する……というストーリー。
ゲスト声優としてクルン役を女優の杏さんが担当。ばいきんまんが作ったメカ「だだんだん」役でお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さん、「ゴロンゴロ」役で児嶋一哉さんも出演している。
30年記念作らしく、改めてヒーローとしてのアンパンマンの魅力がしみじみと伝わってくる。ゲストキャラは「分かんない」が口ぐせで、周囲のキャラクターにあらゆる問いかけをするクルン。真っすぐな瞳で、無邪気にアンパンマンに「なぜ人を助けるのか」を聞く姿は、アンパンマンに憧れるスクリーン(やテレビ)の前の子供たちそのものなのだと感じた。
アンパンマンの永遠のライバル・ばいきんまんの活躍も見逃せない。詳細は見てのお楽しみだが、特に、ラストのライバルらしい行動とせりふには大人でも思わずグッときてしまうはずだ。ある意味、王道の少年マンガのような展開で、観賞後はきっと、ばいきんまんというキャラクターをより好きになっていることだろう。(河鰭悠太郎/フリーライター)
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