ラノベ質問状:「星刻の竜騎士」 出し惜しみせず全力投球で

瑞智士記さん作、〆鯖コハダさんイラストの「星刻の竜騎士(ドラグナー)」
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瑞智士記さん作、〆鯖コハダさんイラストの「星刻の竜騎士(ドラグナー)」

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、なぜか美少女の姿をしたドラゴンをパートナーにした主人公の奮闘ぶりを描いた「星刻の竜騎士(ドラグナー)」(瑞智士記著、〆鯖コハダ画)です。メディアファクトリーMF文庫J編集部の庄司智さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 ドラゴンと契約を交わした生徒たちが集まる学院−−その中でただ一人パートナーを持っていなかった主人公の前に、ついにパートナーのドラゴンが現れる。でも、そのドラゴンはなぜか美少女の姿をしていて……!?というオープニングから始まるファンタジー作品です。クラスメートのお姫様や先輩の生徒会長といったヒロインたちと繰り広げる楽しい学園生活や、大国同士の思惑が絡み合う壮大なストーリー、それに迫力あるバトルシーンなど、さまざまな読み応えがあります。敵が操る“触手”のシーンなど、ちょっときわどいイラストも魅力ですね。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 瑞智士記先生とは、弊社で「機巧少女は傷つかない」をご執筆中の海冬レイジ先生からご紹介いただいたのがご縁のきっかけです。いくつかご企画案をやりとりさせていただく中で、かなりアイデアの引き出しが豊富な方だという印象を受けまして−−だからこそ、土台そのものはストレートなもので勝負したいと思いました。そこで、ライトノベルの王道である異世界ファンタジーもの「星刻」の企画ができあがりました。

 −−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?

 瑞智先生は上記のように非常にアイデアが豊富で、かつ、とても器用な方だという印象です。初稿をいただいて気になった点などをお伝えすると、すぐにこちらの意図をくんで、さらに想定以上に素晴らしいお原稿に仕上げてくださいます。イラストレーターの〆鯖コハダ先生も同様ですね。たくさん新しいキャラクターを描いていただいたり、武装のデザインをお願いしたりすることが多く、「描きづらかったら言ってください」ということをお伝えしているのですが、毎巻、何も言わず素晴らしいイラストを上げてくださいます。また、〆鯖先生ご自身が、作品自体をとても愛してくださっているのですごくうれしいですね。ちなみに余談ながら、作品でけっこう登場する“触手”については、イラストを〆鯖先生にお願いすることになった際に、〆鯖先生がそれまで描かれたイラストを見て瑞智先生がインスピレーションを得たのがきっかけです。

 −−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。

 触手のイラストを見ると興奮します!……いや冗談です。スケールの大きな話になってきたので、どんなふうに話が動いていくのか、一読者としても毎巻楽しみに読んでいます。一方で、魅力的なキャラクターが多いので、どのキャラクターやシーンに焦点を当てるべきか悩むことはありますね。イラスト位置が選べない……!

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 瑞智先生とはつい最近、「現段階で15巻まででこれぐらいのエピソードを……みたいな見込みがあるとすれば、出し惜しみせず10巻とか12巻ぐらいまでに全力投球で詰め込んでしまいましょう! その後はその時に考えましょう!」というお話をさせていただきました。次の8巻では、さらに物語が大きく動いていく予定です。あ、まだ内緒ですが、8巻のカバーは個人的に好きな“あのキャラ”の予定です! また、コミックアライブ誌上にて連載中のRAN先生によるコミカライズでは、文章と挿絵だけでは伝えきれなかったシーンも描いていただき、作品世界をさらに楽しめる内容になっています。コミックスも好評発売中ですので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。加速し続けていくシリーズの今後に、どうぞご期待ください!

メディアファクトリー コミックライトノベル事業部 MF文庫J編集部 庄司智

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