東日本大震災から1年となる11日、アニメ「かんなぎ」の舞台となった宮城県七ケ浜町の鼻節神社で、被災した同町を支援しているファンらが集まり、地震のあった午後2時46分に合わせて、鎮魂の祈りをささげた。
ウナギノボリ
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七ケ浜町は、08年に放送されたテレビアニメ「かんなぎ」で人気になってから鼻節神社などにファンが訪れる“聖地巡礼”の現象が起こり、多くのメディアに取り上げられた。その後、町ではアニメなどのキャラクターを車体に大きく描いた「痛車」やコスプレーヤーを積極的に受け入れて「東北のコスプレスポット」となった。しかし、東日本大震災に伴う津波で、町の3割が浸水して約6500戸のうち約1000戸を失う被害を受け、町の海沿いには家の土台だけが並ぶ場所や、津波でえぐられて通行不可能な道路など、今なお震災の爪痕が残っている。
しかし、震災直後から、「かんなぎ」や、痛車のファンが自主的に支援物資を持って駆けつけ、神社の倒れた石とうろうを直して清掃したり、炊き出し、各地のイベントでグッズを売ってその収益を町に寄付するなど地道な活動を続けた。また、その活動に賛同したアニメ「かんなぎ」監督の山本寛さんも被災地を訪れるなどした。そうした地道な活動は地元からも好感を持たれ、若いファンの“聖地巡礼”から距離を置いていた地元の年輩の人たちも、サークルの人たちが訪れると親しみを込めて「かんなぎさん」などと呼んでいる。
11日の集まりは、震災直後から支援活動を続けているファンサークル「神薙町内会」が呼びかけ、午後1時すぎから清掃が始まった。地元の人の差し入れもあるなど和やかな雰囲気で進み、参加者が献花したあとで1分間の黙祷(もくとう)をささげ、最後は同町の海岸に場所を移して花を流した。メンバーの東海林泰士さんは「地元の子だけでなく、遠くは大阪から来てくれて感謝しています。これからも支援を続けていきますが、この動きが広がってくれたら」と話していた。(毎日新聞デジタル)
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