東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中のマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)82」では、例年通り「コスプレ広場」で人気作のキャラクターにふんしたコスプレーヤーが自慢の衣装を披露している。“長もの”と呼ばれる小道具の持ち込みや肌の露出へのガイドラインが明確化した昨年夏の“規制緩和”から1年、コミケのコスプレは露出などを巡り新たな局面を迎えている。
ウナギノボリ
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30センチを超える長さの小道具の持ち込みを禁止するなど、コミケはコスプレが許可されているイベントの中でも特に厳しい制限が設けられていた。しかし、11年夏の「コミケ80」から、「表現の幅を広げるため、『物』の制限をできる限り『行動』の制限に変更する」として、分解して持ち運べることを条件に、高さ2メートル以内、幅1メートル以内の小道具の持ち込みが許可されたほか、露出についても女性の胸は3分の1程度までの露出で下着の着用を義務付けるなど明確化。これに伴い、キャラクターが持つ武器やステッキなどが持ち込めるようになり、より迫力のあるポージングが可能になった。
今回のコスプレ広場の傾向として、以前に比べて露出度の高い衣装のコスプレーヤーが目立つ。コスプレーヤーは更衣室を出る際に必ずスタッフのチェックを受けることになっており、水着の着用時もサポーターや下着の着用を義務付けるなど露出の基準が明確化したことで、着られる衣装の幅も広がったといえる。また、規制緩和から1年が経過し、コスプレーヤー自身が新ルールに慣れてきたことも、より大胆な衣装にチャレンジする一因だろう。
しかし、露出度の高い衣装は撮影者の人気が高い一方で、無断撮影や盗撮などのトラブルが発生する可能性も大きい。コスプレーヤー側も撮影者の要求に応える形で、つい大胆なポーズを取ってしまうなどエスカレートしてしまうケースも見られた。
コスプレタレントの綾川ゆんまおさんは「規制緩和のおかげで多くの人がさまざまな表現にチャレンジできるのは素晴らしいこと」としながらも、「コスプレーヤーも撮影者もそれぞれ節度を守ってコミケに参加しないと、ルールがまた厳しくなって自分たちで表現の幅をせばめてしまう結果になってしまうのでは」と話している。
「コスプレ広場」は、1階レストラン街外の庭園のほか、第2会場として、初日と2日目に西館1階の屋外展示場、3日目は西館4階の屋外展示場を開放。コスプレをするには1日当たり800円の登録料が必要。自転車、ローラースケートなどの乗り物、浮き上がる風船などコミケ全体で持ち込みが禁じられているものに加え、ガラスや陶器など、落とすと周囲に破片が飛び散るものの持ち込みが禁じられている。撮影者側も、ネット配信や動画撮影に関するガイドラインがあり、周囲に一目で撮影が分かるようにすることなど参加者に配慮した撮影が求められている。(毎日新聞デジタル)
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