話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、米澤穂信さんの推理小説「古典部」シリーズが原作のアニメ「氷菓」です。角川書店の伊藤敦プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品の概要と魅力は?
高校1年生の折木奉太郎(おれき・ほうたろう)が、同級生の千反田(ちたんだ)える、福部里志、伊原摩耶花(いばら・まやか)と共に、身の回りで起きるちょっとした不可思議な出来事を推理し、解決していく学園ミステリーです。
人の死なないミステリーにもかかわらず、大勢の人たちが見せるさまざまな人間模様が、随所にほろ苦さを醸し出していて、飽きのこない内容となっています。
−−制作決定の経緯と、アニメにするときに心がけたことは?
以前から推理小説をアニメ化したいと思っていました。それも定番ではない、個性的な。当作品は、まず人の死なないミステリーという内容に引かれ、しかも群像劇仕立てになっている雰囲気もとてもすてきでした。アニメ化するときは、情景のリアル感を基に、登場人物の気持ちのキビみたいなものに留意するようにしました。
−−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?
作品のクライマックスにもなっています、生き雛(びな)祭りを、実際に体感できたことです。1年に1回の珍しいお祭りでした。
シナリオ打ち合わせでは、毎回、スタッフ全員が真剣に議論をしました。それぞれ作品やキャラクターに思い入れが強く、時には意見が対立することもありました。コスプレのシーンや里志の奉太郎、摩耶花への気持ちなどは、スタッフお互いの体験などや趣味があらわになったりして、あ、そういう趣味ですか、みたいにみんなに知られるのが、なかなか恥ずかしかった感じです。今、思うと人間臭い感じになっていてよりリアル感が出てよかったと思います。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
これから古典部のメンバーそれぞれ気持ちの揺れが大きくなります。特に奉太郎のえるに対する気持ちの揺れは相当です。そうした彼らの気持ちの揺れをぜひ感じてみてください。作品は、ラジオ、Ustreamでもフォローしています。よかったら一緒に楽しんでみてください。
角川書店 作品プロデューサー 伊藤敦
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