アニメ質問状:「ハヤテのごとく!」 原点に戻ったアニメ作りを 楽曲にあるコンセプトが

(C)畑健二郎・小学館/HAYATE PROJECT・テレビ東京
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(C)畑健二郎・小学館/HAYATE PROJECT・テレビ東京

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、「ハヤテのごとく! CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU」です。ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントの松田章男プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 原作は畑健二郎先生が「週刊少年サンデー」誌上で8年の連載を誇り、アニメとしてはこれまでに2度のテレビシリーズ、OVA、さらには劇場版も公開された作品です。1億5000万円の借金を抱えた少年・綾崎ハヤテ、大金持ちでツンデレ、でもってニートなお嬢様・三千院ナギ、そんな2人の周りには美しく有能なメイドのマリア、才色兼備文武両道の生徒会長・ヒナギク等々、すてきなキャラクターたちが多数登場。時代を鋭敏に感じさせるギャグ、アクション、そして時に思わずウルッとくるドラマと日常の中で起こるさまざまがにぎやかに展開されていきます。

 今回のアニメシリーズはハヤテとナギの2人を中心に、原作者の畑先生がこのアニメのために書き下ろしたオリジナルストーリー。もちろん、原作の時間軸との整合性もとりながら、マンガとアニメは共通した世界観をもって描かれていきます。今作ではEDも歌っているアイドル・水蓮寺ルカ、そしてアニメオリジナルのキャラクター・ツグミなども登場してにぎやかさもパワーアップした中に、あるひとつの大きな謎が伏線として随所に顔をだしながら展開、そして最後は……今回のアニメ、そのテーマはズバリ「愛」です!

 −−アニメ化の作業にあたり、心がけたことは?

 マンガの連載が8年、アニメ化も07年の第1作から11年の劇場版まで幾度もシリーズを重ねてきました。連載開始当時や、最初のアニメ化を見ていたファンの方たちと共に時間を重ねてきた作品です。特にアニメに関しては、そのシリーズごとのカラーがあって、原作ファンの方たちにとってもそれぞれの「ハヤテのごとく!」があるはずで……。とはいえ、昨年の劇場版の際にも畑先生やアニメスタッフとは「もう一度原作の原点に戻ったアニメ作りをしよう」と話をしてきました。今回の新シリーズも第3期ではなく「新しいハヤテのごとく!」を掲げて、これまでのファンの方だけでなく、このアニメではじめて「ハヤテ」に触れることになるかもしれない視聴者の方にも楽しんでもらえる−−。工藤昌史監督をはじめとするアニメスタッフ一同と、そんな作品作りを心がけました。

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 何せうれしかったのはオリジナル展開のアニメだけに、毎週毎週、本誌の連載とは別に、誰よりも早く、誰も知らない「ハヤテ」が読めること。いやはや役得ですw。その分、毎回のストーリーを考える畑先生はマンガとアニメの両方で大層大変だったのではと……。

 大変なこと……すべてが現在進行形で毎日忙しかったりはしますが、なんだか逆に大変なことって思い浮かばないですね(今はw)。余談として、音楽の方の話になりますが、本作ではアイドル・ルカがEDをはじめとして挿入歌などなどたくさんの歌を披露しています。これらの曲は、すべてあるコンセプトをもって詞の世界観や楽曲を構成しているのですが、更にこれらを劇中使用時の意味合いまで踏まえて作っていくのは、作詞家さんへの発注時に結構難儀しながら考えました(といって、実際に書いていただいている作詞家の皆さんの方がもっと大変なんですが)。それらがどういうテーマと構成になっているのかは、いずれのお楽しみということで!

 −−今後のみどころを教えてください。

 オリジナルならではとなる怒濤(どとう)の展開が本格的に動きだす中盤以降は、まさにいまだ誰もみたことがない新しい「ハヤテのごとく!」。次第に明かされていく数々の謎、更にはツグミ以外にも新しいキャラクターが登場したり、逆に懐かしいあの人も……!? ハヤテ、ナギ、そして人気No.1キャラの彼女ももちろん、見せ場はバッチリです!

 −−今後の展開、ファンへ一言お願いします。

 何度となく触れてきましたが、本作は原作の畑先生と工藤監督をはじめとするアニメスタッフがいろいろな意味で一緒に作っている作品。アニメ本編だけでなく、eyelisが歌うOPテーマでも畑先生に作詞をしていただいてと、たくさんの意気と息吹を盛り込んでいます。先日、サンデー編集部の熊谷さんのお話を聞いて改めて思ったのは「『ハヤテ』はいまや最も長く続いているラブコメの聖書(バイブル)」なんだということ。自分が思春期から読み続けてきた、あだち充先生、高橋留美子先生たちが作ってきた小学館の……いやいや、世界に誇るラブコメというジャンルを今に未来に語り継ぐ作品。そんな素晴らしい原作を、もっと広く、たくさんの人たちに伝えていくために、工藤監督をはじめとするアニメスタッフとともに、これからも頑張らねばと思っています。

 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント プロデューサー 松田章男

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