成宮寛貴:「相棒」出演は「運命だった」 水谷豊との共演に刺激

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 俳優の成宮寛貴さんが昨年10月からスタートした刑事ドラマ「相棒シーズン11」(テレビ朝日系)で、水谷豊さん演じる杉下右京警部の新たな相棒・甲斐享を熱演している。若手実力派として活躍してきた成宮さんが、30歳の節目の年に国民的な人気ドラマシリーズの大役に抜てきされた。昨年夏のクランクインから数カ月、水谷さんとの共演に大いに刺激を受け、「このタイミングで、こういうふうに『相棒』に入るのは、運命だったと思う」と目を輝かせる成宮さんに、「相棒」出演について話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

◇「相棒」出演に「怖さもあった」

 30歳を迎え、自身の今後について考えていた時期にオファーを受けた。「『相棒』というチョイスは想像してなかったからびっくりしましたね」。「選ばれたうれしさもあったけど、シリーズに(途中から)入るという怖さもあった。でも、新しいものに挑戦する感じがしましたね」と当時を振り返る。寺脇康文さん、及川光博さんに続く3代目の相棒になるが、「それは、あまり考えないようにしていた」といい、「相棒ファンをがっかりさせたくない気持ちはありましたけど、現場では僕が相棒なので」とさらりと語ってみせる。

 12年夏のクランクインから数カ月が過ぎ、「時間のわりに濃密な時間を過ごさせてもらって、やっと『相棒』という大きなドラマ、みんなが作り上げてきたドラマに慣れてきて、より柔らかい感覚で動けるようになってきたなって思いますね」と実感をこめる。「相棒」の現場は基本的にカメラ1台で撮影するといい、「カメラのあるところに自分が出て行く。自分が映るだけじゃなくて後ろの人のことも考える。すごく立体的なんです。基本的に一つのカメラがメーンなので(カットを)割れないから自分で割る。全体を見た自分の芝居になるんですよね」と多くを学んでいることを明かした。

◇「相棒」出演は「運命だった」

 この数カ月間、水谷さんの演技、振る舞いを間近で見続け、大いに刺激を受けてきた。「『相棒』を今までどうやって作ってきたのかを、ものすごいスピードで見ますし、見えてきますね。『それを早く習得しないと相棒になれないぞ』という気持ちもあるので」と真摯(しんし)に語り、水谷さんと過ごすことで、「自分はこういうふうになっていきたいと初めて思ったんです。水谷さんって、自分の目指している先に歩いている人なんだって改めて感じたんですよね」と目標を見つけた喜びを口にする。

 「目指しているのは何かという答えはないんですけど、何かを目指している、探し続けている水谷さんを見て、自分がこのタイミングで、こういうふうに『相棒』に入るというのは、運命だったなと思ってます」としみじみと語り、「水谷さんも『会うべくして会うんだよね』『運命が決まってるんだったら、これを楽しく過ごしたいね』と言ってました」とはにかんだ。

◇水谷豊は「非常にチャーミング」

 水谷さんから命名されたニックネーム「コットン」について聞くと、「最近はたまに思い出したかのように呼ばれるくらい」と苦笑いし、「役名の方が血が通ってくるし、本番でも『コットン』と言っちゃうんじゃないかっていうくらい撮影のオンオフがないんですよ」と明かす。「水谷さん自身がエンターテイナーなので、いつも一緒にいて面白いですね。年齢的にはお父さんでもおかしくない年なんですけど、基本的にはちょっとアニキっぽい感じ。でもちょっと方向音痴なところもあって。非常にチャーミングなんです」と笑顔を見せる。

 画面の中の右京と享の関係性は、時に親子、時に教師と生徒のようにも見えてくる。「そうなんですよ。時には本当に同士だったり、ちょっと逆転する場合があったり、反抗するパターンもあったり、いろいろなパターンがあるんです。それをどんどん増やしていきたいし、今あるものも、もっともっと濃密にしていきたいですね」と目を輝かせる。後半戦に向けての抱負を聞くと、「いつまでも新鮮で面白い『相棒』をみなさんに楽しんでもらえるように作っていきたいですね。80点を目指すと60点しか取れないので、いつも100%、100点を目指したいなと思います」と気持ちを新たにしていた。

 なお、1日午後9時からは元日スペシャル「アリス」が2時間半にわたって放送予定。波瑠さん、滝藤賢一さん、藤田弓子さんらをゲストに迎え、右京と享が57年前の未解決事件の謎に迫る。

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