累計6000万部以上を発行している冨樫義博さんの大ヒットマンガ「HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)」初の劇場版アニメ「緋色の幻影(ファントム・ルージュ)」(佐藤雄三監督)が12日に公開される。冨樫さんによる特別読み切りや一問一答を収録した「コミックス0巻」が入場者特典として先着100万人にプレゼントされることでも話題を集めている。
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今回の劇場版で描かれるのは、先日までテレビアニメで放送されていた“幻影旅団編”後のストーリー。主人公・ゴンの仲間で、美しい「緋(ひ)の眼」を持つクルタ族の生き残りでもあるクラピカは、自身の「緋の眼」を奪われ重傷を負ってしまう。駆けつけたゴンたちは、クラピカから「緋の眼」を奪ったのが、クラピカと同じクルタ族の親友「パイロ」だったと聞き、捜査を開始する。ところが、突然現れた幻影旅団から「緋の眼」を奪った犯人は幻影旅団の元メンバーで、ヒソカが入団する前のナンバー4の「オモカゲ」だと聞かされる……。
オリジナルストーリーだが、冨樫さんが約10年前に描き上げたものの、未公開となっていた“幻のネーム”から生まれたこともあり、原作とのかかわりが強く感じられる。悪役にあたるオモカゲが、幻影旅団の元メンバーであることや、原作では既に死んでいるはずのウボォーギン、パクノダといった幻影旅団のメンバーも登場するなど、ファンも新鮮な気持ちで楽しめるはずだ。
ゲスト声優として、オモカゲ役に俳優の藤木直人さん、パイロ役に女優の川島海荷さんをそれぞれ起用。川島さんは、監督の要求により地声でパイロを演じたと語っているが、変に作り込んでいない部分があどけない少年らしさにつながっている。また、ゴンたちと出会う旅の人形師「レツ」役の平野綾さんも抜群の存在感を見せている。
入場者特典の「コミックス0巻」に掲載される冨樫さんへの一問一答には、原作の今後にかかわるようなきわどい設問もあるといい、冨樫さんがどういった回答を寄せているのかも話題を呼びそうだ。主題歌「REASON」は人気デュオの「ゆず」が、ヒャダインこと前山田健一さんと初の“3者共作”で手がけている。12日から全国東宝系で公開。(立山夏行/毎日新聞デジタル)
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