AKB48・柏木由紀:キャプテンを交代した瞬間を振り返る 激動の12年を映したドキュメンタリー公開

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 人気アイドルグループ「AKB48」の昨年1年間を追った最新ドキュメンタリー映画「DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?」(高橋栄樹監督)が1日に公開された。メンバーの柏木由紀さんは「いままでの(公開された)ドキュメンタリーで、これ以上見せるものがあるのかと思っていましたが、今回は一番激しいんじゃないかと思います」と見どころを紹介。自身の考えるアイドル像、今後についても語った。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 今作は、11年1月公開の「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」、12年1月公開の「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」に続くドキュメンタリーの最新作。絶対的エースとしてセンターポジションにいた前田敦子さんの卒業公演やデビュー以来念願だった東京ドーム(東京都文京区)での公演の舞台裏に密着。そして、前田さん卒業後のセンター争いや、恋愛禁止条例、メンバー間格差など、現代のリアルなアイドルの姿を映し出している。

 今作のために約1時間のロングインタビューをしたという柏木さんは「メンバーそれぞれインタビューがあるんですが、普段話さないこと、思っていてもなかなかいう場所がないことを、みんな結構ぶっちゃけています」と語った。自身が気になるのは、同期で仲がいい“まゆゆ”こと渡辺麻友さんだといい、「私は(インタビューで)まゆゆのことをすごく聞かれたんですよ。まゆゆがAKB48のことをどう思っているのか、(普段)あんまりまじめな話をしないので、知りたい」と話した。

 映画のテーマの一つとなる「恋愛禁止条例」について、「中学3年生からグループに入っているので、それが当たり前だった」という柏木さんは「恋愛があると、ファンの応援したいという気持ちがもしかしたら薄れちゃうかもしれない」といい、「恋愛やプライベート、自由を捨ててもAKB48に夢を懸けているので、ファンにそういうところを応援してもらいたいです。みんなの意思を統一するためにも(恋愛禁止条例は)必要だと思います」ときっぱりと言い切った。アイドルという存在は「巡り巡って考えた結果、ファンのことを一番に考えるのがアイドル。どういうことをやったらファンが喜んでくれるかな、と考えるのがアイドルだと思います」と持論を語った。

 AKB48の12年の活動で一番印象に残る出来事として、東京ドーム公演の3日間を挙げ、「(チームの)新組閣と(前田さんの)卒業が同じくらいインパクトがありました。新組閣は海外に行くメンバーがいたり、自分がキャプテンではなくなったり、環境が発表でがらっと変わった瞬間だった」と振り返る。「絶対的な存在だった」という前田さんの卒業については「みんなが前田さんの背中を見てきたので、いなくなるとどうなっちゃうんだろうというのがあった」と不安な心境を語った。

 チームBのキャプテンを梅田彩佳さんと交代した瞬間は「(自分が)チームになくてはならない存在だったのに、それがなくなった不安がまずすごくありました。自分のキャプテンはだめだったのかと、やっぱり思っちゃいました」と率直な思いを語る。しかし、その後の活動でキャプテンではなくなって学ぶこともあったと明かし、「自分のことを考えられるようになれて、自分にかける時間を持てた。チームを最初に考えなきゃいけないし、周りを見て行動しなきゃいけないキャプテンって大変だったなって、やっと気づきました」と笑顔で振り返った。

 柏木さんの12年は初のソロライブ、念願のソロデビューが決まった年でもあり、「遠い将来、ソロデビューできたらいいなと思っていた。こんなに早く、AKB48にいながらソロでやるとは思っていなかったんです」と当時の驚きを思い返した。ソロライブはセットリストも演出も自身で決め、「AKBでは一人で歌うのもなかなかやらせていただけないし、やりがいがありますね。チャンスをいただいているので、全部ものにしたい」と力強く語った。

 その一方で「今はAKB48の活動が一番楽しい」と断言。「ソロも楽しいけれど、AKB48での活動があるからこそ、そう思う」といい、自身の卒業については「全然考えていないですね。卒業したいと思う日が来るのかな。全部一人でやりたいと思うときが来たら、もしかしたら卒業なのかもしれないですが、今はグループが楽しい」と笑顔で語った。

 今後の活動については「AKB48ではドームツアーとか、海外での活動とか、まだやっていないもっと大きなことがやりたい」といい、個人としては「音楽の勉強がしたい。アイドルとしてやっていきたいですが、アーティストの部分を育てられたら」と前向きに語った。

 <プロフィル>

 かしわぎ・ゆき 91年7月15日生まれ、鹿児島県出身。B型。AKB48チームBとして活動中。趣味はカラオケに行くこと、音楽を聴くこと。特技はリコーダー、トロンボーン演奏。現在放送中の連続ドラマ「ミエリーノ柏木」(テレビ東京系)で初主演を務め、2月6日に独自レーベル「YukiRing」から発売されるシングル「ショートケーキ」でソロデビューする。

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