昨年大ヒットした劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督と、人気アニメ「機動戦士ガンダム」の生みの親として知られる富野由悠季監督がこのほど、初対談を果たしたことが22日、明らかになった。富野監督は毒舌家として知られるが、「おおかみこどもの雨と雪」については公開直前、絶賛するコメントを発表して話題を呼んだ。今回も「この映画は、もはやアニメの枠を超えた」と改めて大絶賛。作品のモチーフが普遍的であることや、映画の公共性について取り上げ、「『おおかみこども~』はこれから10年、20年後の評価や認知は今よりもはるかに高くなると信じています」と太鼓判を押した。
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「おおかみこどもの雨と雪」は、細田監督が新たに設立した「スタジオ地図」が製作したオリジナルアニメ作品。主人公・花と“おおかみおとこ”との出会いから恋愛、結婚、出産、子育て、“おおかみこども”の雨と雪の成長と自立までの13年間を描いている。花の声を宮崎あおいさん、花と子どもたちを優しく見守る“おおかみおとこ”の声を俳優の大沢たかおさんが担当。12年7月に公開され、観客動員数が344万人を超え、興行収入が42億円を突破するなど大ヒットを記録した。
対談は、同作のブルーレイディスク(BD)とDVDの発売を記念し実現したもので、アニメ評論家の氷川竜介さんが司会を担当した。公開直前、富野監督は「新しい時代を作ったといっていい。だが、作者である監督は、そこまで意識していたかどうか。手法を追求していったらこうなったのかもしれない」とコメントしていた。
今回の対談で、富野監督は「誰でも経験するようなごく当たり前の話を、上手にアニメのメタファーを使うことで、とても見やすい長さでまとめている」と話し、「悔しいけど、細田監督はものすごくできるようになったなと思いました」と評価。憧れの監督のひとりで、“大先輩”の富野監督から絶賛された細田監督は、恐縮しながらも、作品やこれからの映画製作について富野監督と語り合った。
対談の模様は、25日発売の情報誌「デジモノステーション」(エムオン・エンタテインメント)4月号の「細田守特集」に掲載される。(毎日新聞デジタル)
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