アニメ質問状:「琴浦さん」 ギャグ路線の中盤から一転、後半は一波乱あり

「琴浦さん」の場面写真(C)えのきづ/マイクロマガジン社・「翠ヶ丘高校ESP研・後援会」
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「琴浦さん」の場面写真(C)えのきづ/マイクロマガジン社・「翠ヶ丘高校ESP研・後援会」

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、えのきづさんの4コママンガが原作の「琴浦さん」です。フライングドッグの吉田博プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 琴浦春香は一見普通の女子高校生ですが、実は人の心を読める能力の持ち主。その能力のために幼いころからつらい経験を繰り返して心を閉ざしてきましたが、転校先で出会った真鍋義久は、エッチな妄想を読まれても能力を気にせず春香に接し、そんな真鍋に翻弄(ほんろう)されながらも春香は心を開いていきます。

 春香と真鍋の2人のラブコメ描写を中心に、ESP研究会の仲間たちとの絆や、能力を持ったゆえの悩みなど少々シリアスな要素も盛り込みながら、孤独で不幸だった琴浦さんが成長していく姿を描く、学園ファンタジーラブコメです。

 −−アニメにするときに心がけたことは?

 笑って、泣いて、最後は感動できるエンターテインメント作品を目指しました。また、原作の持つギャグとシリアスの要素をアニメとしてどういうバランスで描くか、というところはシリーズ構成の段階からとても気を配りましたが、太田(雅彦)監督と脚本のあおしま(たかし)さんのおかげで、絶妙なバランスで仕上げていただけたと思います。

 また、春香がより可愛く、より守ってあげたい存在になるように、真鍋は男性視聴者から見ても好かれて、こいつならば春香を任せても大丈夫、と思ってもらえるようなキャラクター像を心がけました、真鍋はいい意味でバカ度も上がりましたけど(笑い)。

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 第1話放送後の反響が大きかったことが一番うれしかったです。Aパートで春香のつらい半生を描く、という構成は太田監督のアイデアで、この作品を描く上で必要なことですが、鬱(うつ)展開が苦手な視聴者の方もいらっしゃるので、途中で耐えられなくなって切られたらどうしようという不安があり、ドキドキしていました。結果的には、大きな反響をいただき、本当に監督には頭が上がりません。

 逆に、第1話の構成が決まったときに、それは放送時のサプライズにしよう、ということで、事前に出すポスターやPVは、鬱要素なしの楽しい学園生活を強調したものにしようと決めました。ただ、PVを作る際、第1話の本編映像で笑っている春香のカットがほとんどないため、編集に大変苦労しました。

 −−今後のみどころを教えてください。

 シリーズ中盤は楽しいギャグ系のお話中心に描いてきましたが、後半は、別の作品になったんじゃないか?と思うくらいの一波乱ある展開が待っています。ちょっとシリアスめな展開もありますが、ESP研のメンバーおのおのが抱えている問題や思い、思惑も絡んできてクライマックスへ向けて、それぞれキャラクターが活躍する見せ場もありますので、ドラマチックな展開を楽しんでいただければと思います。

 −−ファンへ一言お願いします。

 スタッフ一同、ラストに向けて頑張っています。また、キャストの皆さんもキャラクターと一体になって熱演していただいていますので、琴浦さんの成長と仲間たちの絆を感じていただけるとありがたい限りです。また、琴浦さんが幸せになれるよう、最後まで作品を見守っていただけますようお願いいたします! それと、そろそろ森谷(ヒヨリ)さんを許してあげてください。

 フライングドッグ プロデューサー 吉田博

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