日本有数の桜の名所として知られる奈良県の吉野山で、同地を舞台にしたマンガ「咲−Saki− 阿知賀編」のイベントが13日に開かれ、地元の奈良や大阪、遠くは東京から約30人のファンが参加した。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の霊場の一つで、同作のヒロインの一人・新子憧(あたらし・あこ)が住む神社のモデルとされる吉水神社では、参拝と絵馬の奉納が行われた。作品の美少女キャラなどのイラストが描かれた絵馬を手にした佐藤素心宮司は「(私も絵馬を)楽しませてもらっています。また吉野を訪れてください」と呼びかけた。
ウナギノボリ
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「咲−Saki−」は、小林立さんのマンガで、マージャンがスポーツのように競技として存在する世界を舞台に、女子高生らが大会で優勝することを目指して真剣勝負を繰り広げるという青春物語。「阿知賀編」は、小林さんが原作を、五十嵐あぐりさんが作画を担当。本編のヒロインの一人・原村和(のどか)の幼なじみである高鴨穏乃(たかかも・しずの)や憧の視点で描かれた外伝で、テレビアニメは12年に放送され人気を博した。阿知賀編の連載は3月に終了したが、本編の連載は現在も続いている。
イベントは、同町の北岡篤・吉野町長などで構成された実行委員会が主催。アニメやマンガなどのモデルになった地域にファンが訪れる現象「聖地巡礼」は、観光の目玉がない自治体が力を注ぐことは多いが、今回の吉野のように桜の名所で年間約100万人の観光客が訪れる観光が盛んな地域が取り組むのは極めて異例だ。
イベントは13日早朝に起きた地震の影響で参加者の到着が遅れる中、3時間遅れで午後2時から開始。吉水神社の参拝・絵馬奉納は、一般の観光客の注目を集めながら行われた。佐藤宮司が参加者に丁寧に参拝の方法を教えながら儀式はおごそかに進み、最後には全員の絵馬が奉納された。コスプレ姿でイベントに参加した東京都杉並区の会社員(24)は「恥ずかしいけれど、(コスプレをして)悪い気持ちはしません」と照れくさそうに話していた。(毎日新聞デジタル)
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