人気ライトノベル「涼宮ハルヒ」シリーズ(角川スニーカー文庫)の舞台とされる兵庫県西宮市の夙川学院中学校・高校で25日、ファン有志によるイベント「ハルヒサマーフェス2013」が開催された。ファンによる作品についての考察発表やコスプレ、キャラクターがラッピングされた“痛車”の撮影、同人誌即売会などが行われ、ファンのコミュニティーから生まれた“草の根”の活動にもかかわらず、約100人が集まり、中には東京都や神奈川県などからの来場者もいた。
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「ハルヒサマーフェス」は、ファン有志による「関西新文化振興会」が主催。昨年に続き2回目の開催で、作中に登場する光陽園学院のモデルといわれている夙川学院中学校・高校が会場となった。昨年は、研究者の発表や展示がメーンだったが、今年は新たにコスプレや痛車の撮影、同人誌即売会も開催された。また、24日には「関西新文化シンポジウム」と題し、奈良県立大地域創造学部の講師を務める岡本健さんやライトノベル作家の森田季節さんらが、ファンがマンガやアニメの舞台を訪れる“聖地巡礼”などに関する研究発表やパネルディスカッションを行った。
近年、自治体や商工・観光団体が地元をマンガやアニメの“聖地”として売り出そうとイベントを開催することはあるが、「ハルヒサマーフェス」はファンのみの手で開催されているのが特徴で、主催の関西新文化振興会はイベントの趣旨を「会員が面白いと思ったことをやっているだけなので、積極的に行政に協力を呼びかけているわけではない」と説明している。学術的な研究発表が行われるのもほかのイベントとは大きく異なる点で、“文教地区”と呼ばれる西宮市の特色を出すために研究発表の場を設けたという。今後の展開については「来年以降は未定だが、続けていきたい。マンネリ化するのではなく、新しいことができれば」と話している。
涼宮ハルヒシリーズは、宇宙人や未来人、超能力者、超常現象が大好きな女子高生・涼宮ハルヒと平凡な男子高生のキョンらの周りで、不思議な出来事が次々と起こり、ドタバタに巻き込まれる……というSFコメディー。西宮市は作者の谷川流さんの出身地で、06年にテレビアニメ第1期が放送され、阪急甲陽園駅や西宮北口駅周辺などをほうふつとさせる風景が登場すると、ファンがこぞって訪れるようになった。(毎日新聞デジタル)
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