「あの花」の愛称で知られる人気アニメを映画化した「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(長井龍雪監督)が8月31日に封切られた。同作は、2011年4~6月にフジテレビ系深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された全11話のオリジナルアニメで、舞台のモデルになった埼玉県秩父市にファンが押し寄せる“聖地巡礼”現象を巻き起こすなど人気を博している。劇場版では、テレビアニメに過去の出来事やラストから1年後のエピソードなどを追加した。テレビ版と同じく、「とらドラ!」などの岡田麿里さんが脚本を担当し、「とある科学の超電磁砲」シリーズなどの長井監督がメガホンをとった。
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宿海仁太(じんたん、声・入野自由さん)、本間芽衣子(めんま、声・茅野愛衣さん)、安城鳴子(あなる、声・戸松遥さん)、松雪集(ゆきあつ、声・櫻井孝宏さん)、鶴見知利子(つるこ、声・早見沙織さん)、久川鉄道(ぽっぽ、声・近藤孝行さん)は子どものころ、「超平和バスターズ」と名乗り、秘密基地に集まって遊ぶ楽しい日々を過ごしていたが、ある夏の日に不慮の事故で芽衣子が死んでしまい、疎遠になってしまう。5人は高校生になり、仁太の前に死んだはずの芽衣子が現れる。芽衣子は超平和バスターズのみんなに願いをかなえてほしいと言うが、その願いがなんであるかを探ろうと、5人は再び集まり……というストーリー。
放送時には大人が泣けるアニメとして話題になったが、劇場版で改めて見ても“泣ける”の一言に尽きる。亡くなった芽衣子が登場するというファンタジー要素はあるが、リアリティーのある設定と構成が涙腺を刺激する。劇中に流れる「secret base~君がくれたもの~(10 years after Ver.)」が、さらに感動を誘う。物語の設定上、派手さはないが、カタルシスが得られ、何度見ても泣ける作品だ。劇場版は過去の出来事やテレビシリーズのエンディングの1年後が描かれており、「あの花」好きの期待も裏切らない。8月31日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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