「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」など数々の人気アニメを手がけてきたスタジオジブリの宮崎駿監督が長編映画の製作から引退することが分かった。同社の星野康二社長が、開催中の「第70回ベネチア国際映画祭」の会見で明かした。半世紀にわたってアニメに携わり、監督としても約40年活動し、世界中の子どもたちやアニメファンに夢を与えてきたが、現在公開中の「風立ちぬ」が長編映画として最後の作品となる。
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宮崎監督は、1941年生まれ。63年にアニメ制作会社の東映動画に入社。間もなく頭角を現し、高畑勲さんらと「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68年)などを手がけた。その後、いくつかの制作会社を経て「アルプスの少女ハイジ」(74年)、「未来少年コナン」(78年)などに携わり、「ルパン三世 カリオストロの城」(79年)で初めて劇場版アニメの監督を務めた。「風の谷のナウシカ」(84年)でアニメ作家として広く知られるようになり、85年にスタジオジブリを設立。「天空の城ラピュタ」(86年)、「となりのトトロ」(88年)、「もののけ姫」(97年)など数々のヒット作を手がけ、2001年の「千と千尋の神隠し」は、アカデミー賞の長編アニメ賞やベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞など数々の賞を受け、興行収入も国内歴代最高の304億円を記録した。
「崖の上のポニョ」(08年)以来5年ぶりの監督作品となった「風立ちぬ」は、実在のゼロ戦の設計者、堀越二郎の生涯と、堀辰雄の小説「風立ちぬ」をイメージした作品。公開から6週連続で観客動員ランキング首位を獲得しており、37日間の累計で動員640万人、興行収入80億円を突破している。宮崎監督は、初めて自分の映画で涙を流したことを告白。鈴木敏夫プロデューサーも同作品を「宮崎監督の遺言」と発言するなど話題を集めていた。
会見で星野社長は「世界に大変友人の多い宮崎駿に関しての発表をこの場でさせて頂きます。『風立ちぬ』を最後に、宮崎駿監督は引退することを決めました」と語り、東京で宮崎監督本人による記者会見を開くことも明かした。(毎日新聞デジタル)
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