冲方丁:「マルドゥック」新作に「頑張ります」 林原めぐみも期待

作家の冲方丁さん(左)と声優の林原めぐみさん
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作家の冲方丁さん(左)と声優の林原めぐみさん

 作家の冲方丁(うぶかた・とう)さんが原作や脚本を手がけた映像作品を放送する特番「特集:注目の作家 冲方丁の世界!」がWOWOWで放送される。8日に劇場版アニメ「マルドゥック・スクランブル」シリーズが一挙放送されるのを前に、同アニメの主人公ルーン・バロットの声を担当した声優の林原めぐみさんと冲方さんに話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「マルドゥック・スクランブル」は第24回日本SF大賞を受賞した冲方さんのSF小説が原作。知能を持つネズミ型万能兵器によって命を救われた少女の闘いと再生を描くSF大作で、劇場版3部作「圧縮」「燃焼」「排気」は2010、11、12年にそれぞれ公開された。

 3部作を改めて振り返り、林原さんは「お客さんを引き込むとか受けを狙ったものではない。(林原さんが演じた)主人公の生々しいシーンを含めて細部に至るまで不必要なシーンがない。どこにもこびていない作品で、作品をどういうかたちで残すかという使命を持って作った作品ってそんなにないんじゃないかなって思う」と力を込める。

 今回、WOWOWで3部作が一挙放送されることに林原さんは「テレビという不特定多数の方が見るもので、冲方さんの作品というだけでこの作品を見たとしたら非常に衝撃的な映像だと思う。でも3本通してみると衝撃的なだけの作品ではないことは分かると思う」といい「残酷な中で希望が見える作品」と胸を張る。冲方さんも「3部作で通してみるとカタルシスを感じることができると思う」と語った。

 冲方さんの新作「マルドゥック・アノニマス」が刊行されることも決定している。早くも映像化への期待もかかるが林原さんは「うれしいです。でも受け止めなければいけないことが待っているんだろうなって思う。一読者としては楽しめないと思う。どうしても目線がバロットにいってしまうから……」と主人公を演じてきたからこそ抱く気持ちも率直に明かし、林原さんの言葉を聞いた冲方さんは「林原さんの言葉が作品作りについてはモチベーションになるし、指標にもなる。こういう方向性で作れば最後までぶれずに作れると確信にもなるんです。頑張ります」と自らを奮い立たせていた。

 「特集:注目の作家 冲方丁の世界!」は8日からWOWOWプライムで放送。また、冲方さんを中心に出版社やビデオメーカーのスタッフが結集するイベント「冲方サミット大忘年会SP presented by WOWOW」が7日、東京都内で行われ、林原さんがイベントに初参加を果たした。イベントの模様は動画配信の「ニコニコ生放送」でタイムシフト視聴ができる。

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