人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親として知られる富野由悠季監督が21日、東京都内で会見し、自身が所属するプロデューサー集団「オオカゼノオコルサマ」と米ハリウッドの制作会社「Legacy Effects(レガシー・エフェクツ)」の業務提携を発表し、提携作品の第1弾として自身が監督を務める新作アニメーション(タイトル未定)を制作することを明らかにした。制作スタッフには多数の有名クリエーターが参加を表明しているという。
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富野監督は「僕自身の今日までのキャリアは基本的にテレビアニメでやってきました。第1作は過去のものからリメークすることを考えてきましたが、権利関係をクリアにするまで至っていないので僕の口からお話しすることはできない。ここまで言えば、どういうものが制作されるかご想像できると思います」と意味深コメント。ハリウッドとの提携による「ガンダム」をリメークする可能性を示唆した。
さらに「実際に映画化企画は進むんじゃないかと思っています。ご存じのとおり、将来の東京でのアニメ制作は厳しいと思っていますが、新しい制作現場を作っていきたい。僕も旧作からの作品だけでなく、87歳までにもう1本や2本の新作ができるんじゃないかと思っていますし、そのためには今回のフィールドはとてもいいんじゃないかなと思う」と前向きに語り、「21世紀の中盤を飾る新しい映像コンテンツみたいなものを生み出せたらいいなと思っている。そのための足場を得ることができた。ハリウッドに強力な助っ人がいることがわかった。打倒アバターくらいは行きたい!」と気炎を上げていた。
「オオカゼノオコルサマ」は、富野監督ら多くのクリエーターが参加し、日本のエンターテインメントを世界に発信するプロデューサー集団。「Legacy Effects」は「アバター」や「アイアンマン」を制作し、ハリウッドですべてのメジャースタジオの作品を手がける制作会社。今回の業務提携で、日本のマンガやアニメを原作とした作品をハリウッドから世界市場へと送り出す共同事業を展開する。
今回発表された富野監督の新作アニメのほかにも、提携作品として、今後は岩波書店の児童文学を実写化予定であることも明らかにされた。日本の既存ファンを裏切ることのないよう、日米共同でコンセプトワークを行い、脚本・映像などの制作は米国側で行う。
この日の会見には、富野監督のほか、「オオカゼノオコルサマ」の木場(こば)カオリ社長、レガシー・エフェクツ社からジョン・ロバート・ローゼングラントさん、シェーン・マハンさん、リンゼイ・マクゴワンさん、J.アラン・スコットさんも出席した。今回の業務提携により、日本のクリエーターに世界市場の機会を創出し、クオリティーの高い作品を共同で制作、世界市場の利益を日米のクリエーターに還元するといい、木場社長は「米国の実績のあるレガシーと私たちがコラボレーションすることで、新しい価値、ビジネスモデルを構築できる。日本のクリエーターがもっと世界で活躍できる仕組みを作りたい」と話した。
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