東京都の青少年健全育成条例改正をめぐり分裂した「東京国際アニメフェア」と「アニメコンテンツエキスポ」が4年ぶりに再合流して22日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕したアニメ展示会「AnimeJapan(アニメジャパン) 2014」。KADOKAWAやアニプレックスなど143の企業と自治体が参加し、名実ともに国内最大級のアニメイベントとして陣容を取り戻し、自治体発信のアニメも出るなど多彩な催しになった一方、各社の思惑にズレも見え隠れした。
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力が入っていたのは「ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース」や「魔法科高校の劣等生」など4月放送のアニメ。さらに「ソードアート・オンライン2」など7月放送のアニメもあり、豪華で多彩なラインアップとなった。特に声優が登場する事前応募制のステージイベントは盛況。また、アニメのPR以外のコーナーも充実しており、人気アニメの人気回を大型スクリーンで上映する「アニメ半世紀シアター」や、来場者向けのビジネスセミナーも総じて盛況だった。
また注目は、非アニメ企業の出展ブースで、茨城県や富山県南砺(なんと)市などの自治体が出展。地域の魅力を売り込むべくアニメを発信するなどアピールした。北海道石狩振興局の公式PRキャラクター「フランチェスカ」を制作したアニメ会社「ハートビット」(札幌市北区)の熊谷仁志社長は、同キャラクターが登場するアニメを7月から道内で放送することに触れながら「今後は地域密着型のアニメも増えると思う」と業界の新潮流を展望した。
一方、各社の思惑にズレがあるのも事実だ。アニメジャパンの企画はファミリー層を意識したもあるが、実際は大人のアニメファンが圧倒的多数だった。ある大手アニメ会社の関係者は「海外との商談は盛況だったが、イベントは予想以上に子供が来なかった」とぼやいた。
イベントが割れた原因となった都の条例改正は過激な性的描写のあるマンガの販売規制を強化するのが目的だった。再合流した今回のアニメジャパンでは、多くの有力コンテンツをもつ反東京都の出版社側が参加する「アニメコンテンツエキスポ」側が主導権を握り、都を外して決着したが、「東京国際アニメフェア」の強みだったファミリー層を囲いきれない結果となった。開幕前日の21日のパーティーであいさつしたKADOKAWAの井上伸一郎常務は「表現の自由があることを満喫してほしい」と出席者に訴えかけたものの、都の条例改正は変わらないまま。幅広いファン層の獲得は、「アニメジャパン」の課題になりそうだ。
イベントは2日間で10万人の入場者数を見込んでいる。23日まで。入場料は一般1500円で、小学生以下は800円(3歳以下は入場無料)。
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