7月に公開予定のスタジオジブリの劇場版アニメ最新作「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)のダブルヒロインの声を、女優の有村架純さんと高月彩良さんが担当することが16日、明らかになった。有村さんは金髪で青い瞳の謎の少女マーニー役を、高月さんは12歳の普通の少女・杏奈役をオーディションで射止めた。
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「思い出のマーニー」はジョーン・G・ロビンソンさんが1960年代に発表した英国児童文学の名作が原作。日本では岩波少年文庫から出版されている。海辺の村で過ごす少女・杏奈は、誰も住んでいないといわれている“湿っ地屋敷”で青い窓に閉じ込められた金髪の少女マーニーと出会う。ひと夏の出会いで2人はある秘密を分かち合う……というストーリー。
西村義明プロデューサーによると、ヒロインの声優は昨年末、オーディションで選出した。300人を3日に分けて審査したが、有村さんは初日の1人目の審査でマーニー役に即座に決定。逆に杏奈役は「まっすぐで生きていくのが難しい女の子。なかなか見つからなかった」という通り、選考は難航し、高月さんは「もう一回、声を聞きたい」という米林監督のリクエストで二次審査を行い、米林監督が「この子が杏奈です」と決めたという。
杏奈に憧れられる女の子マーニー役に有村さんを選んだ理由を、西村プロデューサーは「20代前半で男性にも女性にも憧れられる声、存在の人」と説明。有村さんといえば、13年にNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で小泉今日子さんが演じた春子の若いころを演じてブレークしたが、「米林監督も私も『あまちゃん』を見ていないので有村さんがそれほど有名な方とは知らなかった。純粋に声で選びました」と話した。
有村さんは「スタジオジブリ作品は小さいころから見てきた作品です。自分もその憧れの世界に飛び込んでいけることに、不安ももちろんありますが、今は監督やキャストの方々と、素晴らしい作品を作るぞ!という前向きな気持ちでいっぱいです。初めてのアフレコで分からないことばかりですが、全力で挑んでいきます」と意気込みを語っている。高月さんは「こんなに大きな役が私に務まるのかという不安と、絶対にすてきな作品にしたい!という気持ちが入り交じった状態です。一生懸命に杏奈を知って、杏奈に命を吹き込むことができたらいいなと思っています」と話している。
米林監督は今作が「借りぐらしのアリエッティ」(2010年)に続く監督2作目だが「高畑勲、宮崎駿がいなかったらジブリはこんなものしか作れないのかとは絶対に言わせない」不退転の決意で製作に臨んでおり、脚本と絵コンテ作りには20カ月間をかけたという。「杏奈にとってはマーニーはトトロ。もう一度子供のためのジブリ作品を作りたい」と意気盛んだ。主題歌は米国人歌手のプリシラ・アーンさんの全編英語詞の楽曲「Fine On The Outside」が採用された。「思い出のマーニー」は7月19日に公開予定。
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