人気アニメ「ドラえもん」が今夏から米国の「ディズニーXD」チャンネルで放送されることになり12日、米国版の場面カットが初公開された。同アニメはこれまでにも世界各地でせりふの吹き替え版や字幕版で放送されてきたが、今回は同アニメの世界観を守りながらも、英語圏の視聴者に親しんでもらえるよう、米文化や生活習慣を反映した“ローカライズ版”が初めて制作される。公開された場面写真ではキャラクターがはしをフォークに持ち替えて食卓を囲むなど日本版から米国版への変更が明らかになっている。
ウナギノボリ
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米国版「ドラえもん」では、テレビ朝日で放送した2005年4月からのエピソードの中から厳選された計26話が全米7800万世帯で視聴可能な「ディズニーXD」で放送される。キャラクターの名前も変更が加えられ、のび太はNoby(ノビー)、しずかは本名は変わらないものの、呼び名がSue(スー)、ジャイアンはBig G(ビッグ・ジー)、スネ夫は名前が“あざ笑う(sneer)”という意味も込められたSneech(スニーチ)になる。また、ジャイ子はLittle G(リトル・ジー)、出木杉はAce(エース)に変更されるほか、ひみつ道具もどこでもドアが「Anywhere Door(エニウェア・ドア)」、タケコプターが「Hopter(ホプター)」、ほんやくコンニャクは「Translation Gummy(トランスレーション・ガミー)」として登場する。
作品の舞台も「アメリカの架空の場所」という設定のため、オムライスがパンケーキ、はしがフォーク、石焼きイモの屋台がポップコーン販売のトラックに変更されるほか、日本語で書かれた看板が英語表記になったり、のび太の0点のテスト答案も落第を意味する“F”の文字が追加されたり、のび太が手にするお小遣いもドル紙幣にされるなど、映像も編集・加工が施される。また、日本版でしばしば登場する「タヌキに間違えられて憤慨するドラえもん」というエピソードも、米国の視聴者が理解しやすいように「アザラシに間違えられて怒るドラえもん」というエピソードに変更される。
そのほか、「健康的な食生活を推進すること」が放送基準の一つとして挙げられている米国の基準に合わせ、ドラえもんがたくさんのどら焼きをほおばるシーンを短縮したり、のび太のおやつをフルーツに変更するなどの修正が加えられる。しかし、数多くの名前や設定が変更される中で、ジャイアンの“決めぜりふ”である「俺のものは俺のもの、お前のものも俺のもの」は「What’s mine is mine.What’s yours is mine!」と意味を変えずに使用されるという。
米国版の第1話は原作コミックスの第1話でもある「未来の国からはるばると」で、ドラえもん(DORAEMON)とノビーの出会いが描かれる。番組のプロデューサーを務めるエリック・P・シャーマンさんは「私たちを信頼して、“日本の宝”と言っても過言ではないドラえもんを預けてくださって、本当に感謝しています」とコメント。ドラえもんの声優を務めるモナ・マーシャルさんは「アメリカ中の子どもたちがドラえもんに夢中になりますように」と話している。
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