話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、椎名橙さんのマンガが原作の「それでも世界は美しい」です。亀垣一監督に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
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−−作品の概要と魅力は?
この作品は、世界を3年で治めた「太陽王リビ」が雨を見たことがないので、雨を降らす不思議な力を持つ「雨の公国」の公女ニケをお嫁さんにもらうというお話です。
作品の魅力はやはりニケとリビのやりとりですかね。段々と2人が引かれ合っていく姿、なくてはならない存在になっていく姿、そのもどかしくも純粋な2人のやりとりがこの作品の魅力ですね。
−−アニメにするときに心がけたことは?
この作品は歌が一つのキーアイテムになっています。マンガではすごい歌でこんなことができるっていうことを、文章やコマでうまく見せて壮大な感じが出せるけど。アニメだと実際に歌を聴かせないといけない。このとき、大気を震わせ雨を降らせることができるくらいの壮大感を出して、みんなを感動させることを心がけてつくりました。
−−ヒロインのニケ役に新人の前田玲奈さんを起用した理由は?
この作品は本当に歌というものがキーになっています。雨降らしの歌を雨が本当に降るのではないかと表現できる人。やはりそこがポイントでした。そのくらいのインパクトのある歌唱力をもっているという点と、さらには作品でニケが成長するのと同じように、一緒に成長してほしいなと思っていたので、これからの成長も楽しみという点もあり、起用させていただきました。
−−アニメの初回は、原作マンガと異なり、前日譚にした狙いは?
マンガだとニケはいきなりリビのところに嫁いでいるところから始まるわけですが、普通で考えるとその前に自分の国から太陽の国に向かうだろうなと。今回アニメ化にあたり、どうせなら原作ファンが楽しめてさらに作品の世界を深めることをしたいと思い先生や編集部の方々にも協力していただいて、アイデアをいただきお城到着前までを書かせていただきました! 楽しんでいただけていれば幸いです。
−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
うれしかったのは、やはりこの作品に出合えたことですかね。すごくやりがいのある作品だったので、最初に話をもらった段階からテンションは上がってましたね。ニケをどう動かそう。リビを使ってどうニケをいじめてやろう、あとはお城で働くキャラクターを増やしたいなとかアイデアは尽きませんでしたね。
ただ、つらかったのはとにかく時間がなくて、アイデアはあるけど全部が描けない、そこをなんとか描きたい、その葛藤が一番大変でしたね。
−−今後の見どころを教えてください。
ニケとリビ2人の距離感やお互いを意識していく、心の動きですかね。ニケの国にリビが行くのですが、今まではニケ側からリビを知っていくという感じでしたが、ここにきて初めてリビ側がニケを知るということになるんです。ここで描かれるリビの感情は今までとは少し違っていくはずなので、楽しみにしてもらえればと。
−−ファンへ一言お願いします。
「それでも世界は美しい」を見ていただいてありがとうございます。皆が楽しんでもらえている作品になっているか不安なところもありますが、スタッフ一同楽しく作らせてもらっています。これからラストに向けてさらなるエネルギーで突き進んでいくので応援よろしくお願いします。
監督 亀垣一
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