話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は榊一郎さんのライトノベルが原作の「棺姫(ひつぎ)のチャイカ」です。シリーズ構成の待田堂子さんに作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
小芝風花、実写映画「魔女宅」から10年
−−作品の概要と魅力は?
ストーリーは王道なファンタジーで、チャイカとトール、アカリ(後にフレドリカも加わりますが)一行の股旅もの……いわゆるロードムービーです。舞台となるフェルビスト大陸では、戦乱の元凶であったガズ帝国のアルトゥール・ガズ皇帝が君臨していました。ついに6カ国連合がガズ帝国に侵攻、その先陣を切り、後に八英雄と呼ばれる8人の討伐隊がガズ皇帝を討つことにより戦争は終結しました。物語は、それから5年たったところから始まります。
ヒロインであるチャイカは、禁断皇帝と呼ばれたガズ皇帝の娘だと自称し、八英雄によって分割されたガズ皇帝の遺体を集めるため、棺(ひつぎ)を背負って一人で旅をしています。一方、主人公であるトールはサバター(西洋風の忍者みたいな感じです)で、活躍の場であったはずの戦争が終わり、生きる目的を失っています。
そんなある日、父の遺体を求めるチャイカと偶然、遭遇するトールはなりゆきで、チャイカの遺体集めを仕事として請け負うことになり、里の妹分であるアカリと共に、それまで暮らしていた街を後にすることになりました。
お話が進むにつれて、チャイカと名乗る少女が複数現れたり、チャイカという存在そのものが謎をはらんできます。チャイカとトール、そしてアカリの旅路の果てには、どんな運命が待ち受けているのか? ストーリー的にはこんな感じでしょうか?
あと、見どころはなんといってもアクションです。
−−アニメにするときに心がけたことは?
榊(一郎)先生の原作とアニメのテレビシリーズは、ほぼ同時に完結を迎えます。そこで、アニメはアニメの完結を迎えることになっています。増井(壮一)監督をはじめとするアニメスタッフで、原作の世界感やテーマを壊すことなく、ファンの方々の作品に対する期待を裏切らないように、アニメならではのストーリーを考えています。
−−チャイカの舌っ足らずな話し方やルックスが人気ですが、アニメ化の際に気をつけたことは?
「うぃ」「むぃ」に始まるチャイカならではの言葉が、可愛い感じになることを念頭に、せりふはあまり流暢(りゅうちょう)にならないように気を配りました。
余談ですが、チャイカの太まゆはアニメになると、ますます表情を豊かにしていると思います。
−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
うれしかったことは、なんといっても一番最初に第1話を見たとき、アクションがとっても格好よかったので感動したことです。大変だったことは、こちらもアクションです。シナリオ上にも、土屋理敬さんも私も、それなりに(汗)アクションを書き込んでいるのですが、特にトールが使うコンブレイドという武器は、あまりなじみがなかったので毎回、私は苦労しています。
増井監督もコンブレイドの感じをつかむため、ご自宅で、トールのように逆手で包丁を持って、ふりまわしたりされたそうです。その姿を想像すると怖いですよね。
−−今後の見どころを教えてください。
お話的には、最初はチャイカの父親である皇帝の遺体を集める旅だったのですが、それが徐々にチャイカ自身に関わることが明らかになる旅になっていきます。
−−ファンへ一言お願いします。
夏にはチャイカたちの旅路は一段落を迎えますが、秋に再び、お目にかかり、ついに旅の完結までを描くことになっています。引き続き、ご覧になっていただけるとうれしいです。もちろん、アクションにも注目してください!
待田堂子
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