家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が、米国発売(2013年11月)からわずか9カ月で世界販売台数1000万台を突破した。しかし、勢いのある欧米市場とは違い、日本での売れ行きは今一つだ。ソニー創業者の故・盛田昭夫さんのおいで、9月1日に日本市場を統括する社内カンパニー「ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア」(SCEJA)のトップになった盛田厚プレジデントに話を聞いた。
ウナギノボリ
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−−PS4の現状は? 日本市場は欧米ほど売れていないようだが。
8月に発表した通り、世界の販売台数は1000万台を突破するなど想定以上のスピードだ。日本での売れ行きは、(欧米の発売から4カ月遅れたので)最初は心配していたが、2月の発売タイミングでは盛り上がった。ただ欧米市場は、発売後も売れ行きが持続したが、日本は一段落した感がある。現状はもちろん満足してない。
−−日本ではなぜ欧米のように勢いが続かなかったのか。
日本の市場向けのゲームソフトをユーザーにきちんと提示できなかった。だが9月1日の発表会で、多くの有力タイトルを見せられたと思っている。メインが来年なのは間違いないが、それでも前倒しで年末に買ってもらえるようにしたい。
−−1年間ないとソフトのラインアップがそろわないのか?
PS4はゲームクリエーターにソフトが作りやすいゲーム機にして、開発の情報を共有した。これが欧米はうまくいった。だが日本ではそこがうまくいかず、国内の各メーカーが「様子見」になった。だが今は風向きが変わった。
−−年末商戦の具体的な施策は? ゲーム機の普及には値下げが有効だ。
まずやることは、ユーザーに「有力ゲームが出る」という説明だ。もう一つは、バンドルモデルの訴求をしたい。またネットワークを経由した遊びもあるから、それらをキーにした施策を打つ。価格戦略については、言えない。
−−ゲーム市場は、スマートフォンの無料ゲームに勢いがある。
スマートフォンの無料ゲームが拡大しているのは事実で、「ゲーム機は持っていないが、スマートフォンのゲームをしている」という人はいる。ただゲーム市場全体の決められたパイを奪い合っているわけではない。「影響はない」とは言わないが、一方でチャンスがあるとも思っている。
−−PS4は新規のファンを取り込めているか?
PS3のネット接続率は8割だったが、PS4は95%で、PS4で初めてネット接続をした……という人が意外なほどいる。日本市場では、まずゲームユーザーの支持を得たい。タイトルはそろったので、テレビゲームを楽しんでもらえればと思っている。
プロフィル
もりた・あつし=1982年ソニー入社。2006年、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の経営管理本部経営管理部長に就任し、2012年に取締役に就任。9月1日から現職。
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