ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまでさまざまなジャンルのテレビ番組を、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は5日から毎週日曜午後5時に放送されるアニメ「七つの大罪」(MBS・TBS系)だ。
ウナギノボリ
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鈴木央さんが「週刊少年マガジン」(講談社)に連載中のマンガが原作。昔リネオス王国の転覆を謀ったとされる悪の騎士団「七つの大罪」は行方不明になったものの、王国を守る正義の聖騎士に追い回されている。だが王女のエリザベスは、傍若無人な聖騎士の横暴に耐えかね、「聖騎士に対抗できるのは『七つの大罪』のみ」と考えて彼らを探す旅に出る。放浪の末、疲れ果てたところで不思議な少年・メリオダスに出会う。
原作は、連載開始からすぐに話題となり、2014年のマンガ大賞にもノミネートされ、関係者からは「アニメ化は時間の問題」といわれていた。“悪”として追われる「七つの大罪」と、“正義”を掲げながら庶民を苦しめる「聖騎士」という、正義と悪の逆転した立ち位置が新鮮だ。そこに王道のファンタジーアクションが描かれ、さらに各キャラクターの魅力的なエピソードも展開され、世界の謎が少しずつ明かされていく。
第1話を見て感じたのは、誰もが楽しめる作品に仕上げている完成度の高さはもちろんのこと、ファンタジーの王道ストーリーと笑いのバランスが絶妙だということだ。人の言葉が話せるブタで、メリオダスの頼れる(?)相棒「ホーク」は、存在感は抜群。さらにエリザベスにすぐ抱きつくメリオダスのちょっぴりエッチな困った性格が、ゆるーい雰囲気を生み出している。第1話のクライマックスで、派手なアクションとシリアスなシーンが心を打つのは、緩急をつけているからこそだろう。
このバランス感覚は、「鋼の錬金術師」や「青の祓魔師(エクソシスト)」などにも共通しており、MBS制作のアニメ枠“日5”や“土6”が見せてきたお家芸ともいえる。数少ない全国放送のアニメとして、作品の質はもちろん、数字的な結果にも期待したい。
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