話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。女子中学生が謎の敵と戦う姿を描いたオリジナルアニメ「結城友奈は勇者である」です。MBSの前田俊博プロデューサー(P)に作品の魅力を語ってもらいました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−作品の概要と魅力は?
「結城友奈は勇者である」はアニメ制作会社「Studio五組」の初となるオリジナルアニメーションで、企画原案をタカヒロさん、監督を岸誠二さん、シリーズ構成を上江洲誠さん、キャラクターデザイン原案をBUNBUNさんが務めています。ジャンルはアニメーションでは定番の変身ヒロインもので、キャラクターのやりとりが可愛い日常描写とスケール感のある戦闘シーンと、ほんの少し(?)過酷なスパイスが利いた物語を楽しめる作品です。
−−アニメにするときに心がけたことは?
タカヒロさんや岸監督、上江洲さんによるキャラクターメーキングが本当に緻密で、各キャラクターの性格付けや会話に特にこだわって作られています。視聴者の皆さんに、序盤は日常描写を楽しんでいただけるように、そして後に起こる、ある展開によって中盤以降は今まで見てきた日常がよりかけがえのないものに感じていただけるように作られています。
また、オリジナルアニメの醍醐味(だいごみ)といえば先の読めない展開を毎週のオンエアごとにライブ感覚で体験していくことだと思います。放送局のプロデューサーとしてはこの醍醐味を視聴者の皆さんにより楽しんでもらうよう強く心がけました。
−−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
大変だったというか、心を悩まされたのはうどんですね。まだ、開発段階のころ、この作品の舞台となる場所を探していて、監督たちが香川県にロケハンにいくことになりました。皆、忙しいなか何とか都合の合う短い日数での強行日程でしたが、非常に気合の入ったロケハンでした。
私は都合が悪く参加できなかったのですが、五組の青木(隆夫)Pがかなり綿密なタイムスケジュールで香川の舞台候補地を巡る旅のしおりを制作されていたので安心してお任せしていました。ところが、そのしおりを読むと、まあうどん屋さんが多いこと……。時間がないというのに「そんな行く必要ないだろ!」と思わずツッコミたくなるくらいうどん屋さん巡りをしていて……。
ロケハンというかうどんが目的にも見えると指摘すると、フィルムやシナリオに影響が出ると真剣な顔で返されました。しかもロケハン後のシナリオ会議では本場の讃岐(さぬき)うどんのおいしさ談議でしばらく盛り上がるんですよね。ポニーキャニオンの木下(哲哉)Pと私は居残り組だったので2人だけその輪に入れず、その上、食べられなくて気の毒みたいな扱いを受けたので非常に悔しい思いをしました。アニメ本編で登場するうどんがとにかくおいしそうで本当に影響出ているのが救いでもあり、余計に悔しくもあります。
−−最終回の見どころを教えてください。
最終話のあらすじは「結城友奈は勇者である」です。きっと視聴者の皆さんにも、このあらすじを実感していただけると思っています。
−−ズバリ、2期や劇場版の予定は?
乃木園子さんのお言葉をお借りするならば「そうだといいね」です。
−−ファンに一言お願いします。
この作品は「日常系だと思って見始めたら……」という言葉で紹介されるのをよく目にします。個人的に私は日常系作品が好きで心ぴょんぴょんしながら見ています。
日常系作品は「日常っていいよね」と共感しながら見る方も多いかと思いますが、「結城友奈は勇者である」は「日常っていいよね」と痛感しながら見る作品になっているのでは?と思っています。お知り合いにこの作品をオススメする際は「日常系(切実)」、「新日常系」などのタグを付けて紹介していただけると幸いです。
MBSプロデューサー 前田俊博
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