注目アニメ紹介:「蒼穹のファフナー EXODUS」 放送10周年を記念した新シリーズ始動

「蒼穹のファフナー EXODUS」のワンシーン(C)XEBEC・FAFNER EXODUS PROJECT
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「蒼穹のファフナー EXODUS」のワンシーン(C)XEBEC・FAFNER EXODUS PROJECT

 テレビアニメ「蒼穹のファフナー」の新リーズ「蒼穹のファフナー EXODUS」(能戸隆総監督、羽原信義監督)の第1、2話が、テレビ放送に先がけ27日から劇場で先行公開される。「蒼弓のファフナー」は、2004年にオリジナル作品としてテレビ放送されて人気を博し、05年にはテレビスペシャル「蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT」を放送、10年には劇場版アニメ「蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH」が公開された。今作は15年1月から放送がスタートする新作で、映画は本編第1話の長尺版と第2話で構成したものを上映。新キャラクターや新展開に加え、劇場と映像作品でのみ試聴可能な長尺版の第1話はファンならずとも見逃せない。

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 西暦2150年。遠い宇宙から来たシリコン型生命体・フェストゥムとの戦いは新たな局面を迎えていた。第一次蒼弓作戦で砕かれた北極ミールはかけらを世界中にまき散らし、次第に独立したミールとして個別活動を開始。大半のミールは憎しみから人類に戦いを挑んだが、一部のフェストゥムは共生を選んだ。そんな状況の中、2年前の来主操との邂逅(かいこう)でミールと対話する手段を手に入れていた竜宮島は沈黙を守っていた。そして、フェストゥムの言語を解する少女とフェストゥムに守れた少女が出会い……というストーリー。

 テレビアニメ放送から10周年という節目の年に発表された新作は、シリーズ構成に冲方丁(うぶかた・とう)さん、キャラクターデザインに平井久司さんらおなじみのメインスタッフがそろい、さらに監督が前作のテレビ版を手がけた羽原さん、劇場版を手がけた能戸さんが総監督を務めるなど盤石の布陣が組まれ、期待感はいやが応にも高まる。完成作は期待を裏切らず……というより大きく上回り、フェストゥムと人類の激しい戦闘シーンは民間人を巻き込む核攻撃をはじめ、ハードな展開を交えた緻密な映像で驚嘆した。作画を見る限り、ロボットが3Dになり、キャラクター造形も美しく洗練されるなど、テレビシリーズ用に制作されたとは思えないほどクオリティーが高く、ストーリーとともに今後も期待が持てる。前作から続投するキャストに加え、鈴木達央さんらが演じる新キャラクターも登場し、物語を盛り上げるほか、主題歌もシリーズファンおなじみの音楽ユニット「angela」が再び歌うのもファンにはうれしい限り。シネマサンシャイン池袋(東京都豊島区)ほか全国10館で27日から2015年1月11日まで期間限定で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライターで、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。早いものでもう年末。今年もたくさんの良作に出合えました。来年はいいかげん、大人としての余裕を持って仕事に臨みたい。来年もすてきな映画に数多く出合えますように。

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