1月の「冬アニメ」が一通りスタートした。週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴し、アニメを使った町おこしのアドバイザーなども務める“オタレント”の小新井涼さんが冬アニメを分析する。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
オンエア中のアニメより放送終了後に全話まとめて見る方が楽!という“まとめ視聴派”の方は少なくありませんが、そんな人たちにも今期はあえて“毎週1話ずつチェックする”という視聴スタイルをオススメしたいと思います。2015年の冬アニメは特に、まとめ視聴するにはもったいないラインアップなのです。
今期の新作アニメをみていると原作を持たないオリジナルアニメが目立ちます。幾原邦彦監督の新作ということで話題の「ユリ熊嵐」、9歳のドロンジョ様に衝撃が走った「夜のヤッターマン」など放送前から注目度が高かった作品や、独立国家となった市町村が勢力争いをする「ローリングガールズ」、普通の男子高校生が魔女っ子のように変身する「美男高校地球防衛部LOVE!」のような第1話の強烈なインパクトで放送前の予想を超える大穴となった作品など、100本近く見ている中でも強く印象に残るものばかりです。 そして、アニメ化の際に新しいストーリーが作られるスマホゲーム、ブラウザーゲーム原作のアニメもある意味オリジナルといえるかもしれません。その点を抜きにしても今期の話題作として「艦隊これくしょん~艦これ~」と「デレマス」こと「アイドルマスターシンデレラガールズ」は欠かせないでしょう。
駆け出しの主人公の成長譚(たん)、周りを固める同期や先輩キャラなど一見共通点も多くみえますが、最大の違いである「プレーヤーキャラの立ち位置」には特に注目です。
「デレマス」では原作ゲームでのプレーヤーキャラであるプロデューサーをアニメオリジナルキャラとして登場させています。ともすればヒロインよりも応援したくなるようなキャラづけはプロデューサーも魅力のひとつであるアイマスシリーズならではです。
一方の「艦これ」ではプレーヤーキャラである提督は存在していながら声や姿は一切登場しません。視聴者自身が提督となることで艦娘同士の関係や日常・戦闘時の姿を存分に堪能できる「まさにこういうアニメ化を待っていた!」と思える魅力があります。それぞれの相違点がオリジナルの物語の中でどう展開されていくのか楽しみな作品です。
これらのオリジナル作品は結末が分からないからこそ先の予想や考察を自由にできるのが醍醐味のひとつとなっています。
ツイッターなどのSNSのおかげで、そういった意見交換もリアルタイムで行えますし、視聴しながらの期待や興奮も気軽に共有できるようになりました。全話まとめてみた方が楽な気持ちも分かりますが、次の放送を心待ちにしながら作品についてあれこれ言いあえるのは毎週1話ずつみるからこその楽しみ方です。
普段放送中のアニメはまとめ視聴派という方も、オリジナル作品が印象的な今期だからこそ!先の展開が待ち遠しくなるような毎週視聴をしてみてはいかがでしょうか。
こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。
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