VAMPS・HYDE:主宰のロックフェスに意気込み「成功につながると思って首を突っ込んでます」

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 L’Arc~en~CielのボーカルのHYDEさんと、Oblivion DustのギタリストのK.A.Zさんによるロックユニット「VAMPS(バンプス)」が、自ら主宰するロックフェス「VAMPARK FEST」を2月18、19日に日本武道館(東京都千代田区)で開催する。フェスには、VAMPSはもちろん、日本では初ライブとなる米国のバンド「SIXX:A.M.」や「NOTHING MORE」、日本からは2010年に現メンバーを迎え入れて再始動した「sads」など、洋邦の精鋭アーティストが出演予定だ。HYDEさんに、今回のイベントの趣旨や意気込みなどについて聞いた。

ウナギノボリ

 −−まず最初に「VAMPARK FEST」の企画意図を聞かせていただけますか。

 日本の音楽を海外に輸出したいんだけど、それだけではなかなかうまく回らないというか、お互いの音楽を表現できる場を作らないと、都合よくはいかない。それをすることによって、日本の音楽を知ってもらえるきっかけになったりすると思うんで、そういう道を作ることが目的ですね。

 −−各アーティストへの出演交渉はどのように?

 (電話で話している仕草をしながら)スタッフに「(返事は)まだなん? まだ? アカンの?」みたいな感じです。僕、基本的にこういうイベントは自分から誘わないんですよ。自分から言うと断りにくかったりもするだろうし、嫌々オーケーされても嫌だし。スタッフだったら断りやすいし、ギャラの交渉もしやすいじゃないですか(笑い)。

 −−なるほど。では、HYDEさんから見たそれぞれのアーティストの魅力をぜひ教えてください。まず18日の公演には、2013年に解散した米国のロックバンド、マイ・ケミカル・ロマンスのフロントマンだったジェラルド・ウェイさん、日本の4人組バンド[Alexandros]、米国のオルタナティブ・ロックバンド「NOTHING MORE」の3組が出演しますね。

 ジェラルド・ウェイは、もともと“マイケミ”が大好きだったので。彼の独特の世界観は、(VAMPSというバンパイアを名乗る)自分たちよりも吸血鬼っぽいなと思ってて、そういう意味では憧れの人ですね。[Alexandros]とは一度、同じような日本の音楽をアピールするイベントで一緒になったことがあって、思ったより攻撃的ですごく盛り上がってたので、海外に行きたいと思っているこういうバンドがいてくれると、もっと(音楽シーンが)活性化すると思います。あとNOTHING MOREは、ロス(LA)でライブを見たことがあるんですけど、曲は今風ですごくカッコいいんですよ。でも演奏が変態で(笑い)、ショー的な要素があるバンドに見えないのに、案外ショーアップされていて、必見だと思いますよ。

 −−19日は、米国のヘビィメタルバンド、モトリー・クルーのベーシストであるニッキー・シックスさんを中心とする3ピースバンド「SIXX:A.M.」、日本からはボーカルの清春さん率いる「sads」、そして米国のハードロックバンド「Buckcherry」が参戦しますね。

 僕が最初にギターをコピーしたのがモトリー・クルー(の曲)で。だからもう(ニッキー・シックスさんは)師匠というか、神様みたいな人ですよね。VAMPS自体もイメージとしてはモトリーの影響をすごく受けてるし。だから、出てもらえてすごくありがたいというか。あんまりステージでは緊張しない方なんですけど、(同じステージに立つことを)考えただけでも緊張しますね。sadsは、このイベントをしようと思った時に真っ先に思い浮かびましたね。対バンは3回目ぐらいなんですけど、毎回すごく刺激をもらっていて、この日もすごく本気でくると思うんで、油断できないです。Buckcherryは、もう理想的なバンドですね。やっぱりロックミュージシャンはクレイジーで危ない感じじゃないと見ていてつまらないんですけど、それ(危ない感じ)がにじみ出てるというか。とてもかなわないんですけど、戦ってみたいという感じですね。

 −−こうした顔ぶれの中で、VAMPSとしてライブに臨む気持ちは?

 やっぱり日本の(音楽の)クオリティーの高さを証明するいい場でもあるし、日本勢は負けられないと思うんですよ。「楽しもうぜ」って言いながら、やっぱりそこはバンドとしては負けたくないから、意気込みは普通のライブとは全然違うと思います。

 −−今回のイベントで、HYDEさんならでの特性が出るとしたら、どんな点でしょうか。

 僕なりの“フェスやイベントはこうあってほしい”っていう芸術性ですかね。いくつかのバンドが出ると、どうしても演奏時間が短くなってしまうんですけど、それをなるべく解消するために転換時間をなくすとかね。そのためには(アーティストごとに)ステージを変えないといけなくて、そういう段取りを早い段階からやっていくと転換が早くなったり。あとは主宰者主導でなるべく引っ張っていかないと、イベント全体の雰囲気がすごく仕事っぽくなってしまうんですよ。それがお客さんに伝わるとあまりトキめかないというかね。そういう意味でも、やると決まった以上は“ああしましょう、こうしましょう”って首を突っ込んでやることがイベントの成功につながると思ってやっています。

 −−では、公演の見どころなどを含め、アピールをお願いします。

 VAMPSで普段、「LIVE WIRE」(モトリー・クルーの曲)をカバーしてるんで、この曲をぜひ、VAMPSのステージでニッキー・シックスにベースを弾いてもらえないかっていう交渉をしていて、それが実現しそうです。ぜひ、この僕が緊張してるところを見てほしいなと思います。(ニッキーと)同じステージにいることが想像できないですから、どうなるか分からないけど、それを見届けてほしい、というところですかね。なるべく(緊張してることが)バレないようにしますけど……(笑い)。

 <VAMPSのプロフィル>

  L’Arc~en~CielのボーカルのHYDEさんと、Oblivion DustのギタリストのK.A.Zさんで2008年に結成。2013年には海外デビューアルバムにしてベスト盤「SEX BLOOD ROCK N’ROLL」を発売。14年10月に約4年ぶりのオリジナルアルバム「BLOODSUCKERS」をリリースし、現在はアルバムを引っさげた全国ツアーを開催中。5月30、31日には、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)でのファイナル公演が予定されている。

(インタビュー・文・撮影:水白京)

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