「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」が19日、北海道夕張市で開幕した。オープニングセレモニーでは、「ニューウエーブアワード」の授賞式が行われ、女優の松岡茉優さんや俳優の中村蒼さん、増田セバスチャンさんらが登場した。同賞は昨年新設された賞で、新しい波(ニューウエーブ)を起こしてほしい映画人に贈られる。女優部門で受賞した松岡さんは「12年(間)お仕事していて、初めていただく賞がこの賞で幸せです。新しい風を吹かせられるように頑張ります。映画が大好きなみなさんが、映画が好きでよかったと言ってもらえるような映画に必ず出演します、私は一生俳優をします」と涙で声を詰まらせながら喜びを語った。
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松岡さんは、中学生時代に同じけいこ場で共に過ごしたという女優の武田梨奈さんがプレゼンターとして現れると、涙を浮かべて抱きつき、続けて「なんてすてきな映画祭なんだろうと思いました。みなさん、なんでそんな優しい顔してくれるんですか……。私、夕張に来たことないのに……」と涙ながらにスピーチした。
男優部門で受賞した中村さんは「この仕事を初めてもうすぐ9年目だけど、こういう賞をもらうのが初めてでうれしく思います。仕事をしているとネガティブになりがちですけど、こういう賞をもらうことで自分のやってきた仕事や思いは間違っていなかったのかなと自信につながります」とスピーチし、「もうすぐ24歳の誕生日を迎えるので、とてもいい誕生日プレゼントをもらったと思います」とにっこり。劇場版人形アニメ−ション「くるみ割り人形」を監督した増田セバスチャンさんは「映画を作る切符を手に入れたと思って、どんどん作っていきたいと思います」と受賞の喜びを語った。オープニングイベントでは、武田さんらアクション女優3人によるプロジェクションマッピングとのコラボレーションも実施し、会場に集まった客を沸かせていた。
開幕前には、夕張駅前でウェルカムセレモニーも開催。特別招待作品の「ジヌよさらば~かむろば村へ~」に主演した俳優の松田龍平さんや松尾スズキ監督、「ニューウェーブアワード」女優部門で受賞した松岡さん、男優部門の中村さん、クリエイター部門の増田さんらが駅前に集まった約200人の市民の前を笑顔で歩いた。松岡さんが夕張市のゆるキャラ「メロン熊」と対面し「気持ち悪い!」と笑顔でじゃれる場面もあった。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は1990年から夕張市で開催されており、今年で25回目。今回は「世界で一番、楽しい映画祭」をキャッチコピーに、23日までの会期中、84本の映画を市内各地で上映する。今回の特別招待作品は、オープニング作品にいがらしみきおさんのマンガが原作で松田さんが主演の「ジヌよさらば~かむろば村へ~」(松尾スズキ監督)、クロージング作品に「イントゥ・ザ・ウッズ」(ロブ・マーシャル監督)、そのほか、「くちびるに歌を」(三木孝浩監督)、「博士と彼女のセオリー」(ジェームズ・マーシュ監督)、「ONE ON ONE」(キム・ギドク監督)などが上映される。
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