注目映画紹介:「暗殺教室」 謎の生物・殺せんせーと生徒たちが“暗殺”を通して交流

(C)2015フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT(C)松井優征/集英社
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(C)2015フジテレビジョン 集英社 ジェイ・ストーム 東宝 ROBOT(C)松井優征/集英社

 人気グループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さんの初主演映画「暗殺教室」(羽住英一郎監督)が21日に公開される。マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の松井優征さんの人気マンガが原作。地球を破壊しようとたくらむ謎の生物「殺せんせー」が、落ちこぼれが集まる椚ケ丘中学3年E組の担任となり、生徒たちは国家からその暗殺を依頼されるという斬新な設定の物語が繰り広げられる。最先端のコンピューターグラフィックス(CG)技術を駆使して再現された殺せんせーが動き回る姿は、ダイナミックでコミカルな空気も生みだし、物語を彩っている。

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 有名進学校である椚ケ丘中学の中で、落ちこぼれクラスとされている3年E組に、ある日、タコ型の謎の生物が担任教師として現れる。月の7割を破壊し、1年後の3月には地球を破壊すると予告しているという同生物。E組の生徒は国家から成功報酬100億円で生物の暗殺を依頼される。謎の生物を“殺せんせー”と呼ぶ生徒たちは、戸惑いながらも暗殺を試みる……というストーリー。

 原作の連載が始まった当初もその奇抜さが際立っていたが、作者が「魔人探偵脳噛(のうがみ)ネウロ」の松井さんと知り、なんだか納得したことを覚えている。そして「暗殺教室」がまさか実写化されるとは思いもよらなかった。これだけ風変わりな設定の原作を実写化するにあたって、最も気になるのが殺せんせーの存在だ。フルCGで再現されるのかと思いきや、特殊造形によるかぶりものをした姿で、触手やマッハ20に代表される不可能な動きなどをCGで表現している。この方法が功を奏して臨場感や存在感を感じることができ、どこかゆるキャラに通じるような可愛らしさすら感じてしまう。暗殺と教育という相反する要素を掛け合わせるというはじけぶりの中に、学園ものらしい王道の要素も組み込まれ一つにまとめられているあたりは、「海猿」シリーズの羽住監督の手腕が光る。演技派や個性がそろう中、高嶋政伸さんの快演ぶりが際立っている。原作が連載中ということもあり、もう少し続きも見たくなる。TOHOシネマズ 日本橋(東京都中央区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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