小室哲哉:30周年ツアー振り返る 演出は自ら企画「SF映画に影響受けた」

インタビューで「TM NETWORK」30周年ツアーなどについて語る小室哲哉さん
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インタビューで「TM NETWORK」30周年ツアーなどについて語る小室哲哉さん

 昨年にデビュー30周年を迎えた3人組ユニット「TM NETWORK」のライブを8時間半にわたって一挙放送する特番「8時間半一挙放送!TM NETWORK DAY」が24日、WOWOWライブで放送される。番組では、今年3月に横浜アリーナで行われた最終公演を含めた六つのライブを、メンバーの小室哲哉さんの解説を交えて放送する。小室さんが、2012年の再始動から行ってきたツアーを振り返り、感想やエピソードを語った。

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 ◇ツアーは「非常に濃縮した時間」だった

 3月22日に横浜アリーナで30周年ツアーの最終公演を行ったTM NETWORK。小室さんは「(最終公演は)カウントダウン的な感じだった。(「TM NETWORK」の活動が)31年目に入るギリギリという感じだったので、『(30周年の)お祝いが長いな』という感じだったけど……」と笑顔で振り返る。

 結成30周年を2年後に控えた2012年3月から、TM NETWORKは3年間にわたってキーボードの小室さん、ボーカルの宇都宮隆さん、ギターの木根尚登さんの3人で活動を再開した。それぞれがソロの仕事もあり、多忙だったが、小室さんは「手を抜くとか、お祝いだから、という感覚でやったものはない」と力強く言い切る。小室さんは「そういう手応えが、ファイナルのときに横浜アリーナでは感じられた。あれから2カ月たっても、あそこはいいかげんだったな、というような部分はなかった(と思った)」とTM NETWORKとして完全燃焼したといい、ライブは「(スクリーンに映す)映像を僕とスタッフで世界を回って撮ってきたり。非常に濃縮した2時間を作ったという感じですね」と語る。

 ◇演出のベースは「SF映画」

 ライブツアーは、SF映画の世界を投影したような独特な世界観のステージを展開した。地球の文化を調査・研究し報告することを義務づけられた小室さんら3人の“潜入捜査員”が、タイムマシンを操り、さまざまなミッションを遂行していく……というストーリーで進行するなど、斬新なアイデアが見どころだ。

 こうした独特の演出は小室さん自らが企画した。ベースになったのは、自身が影響を受けたという数々のSF映画だ。特にスティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスなどの巨匠が作り出した作品には「インスパイアされた」と明かす。「彼らが描いた未来に、(今は)似てきてはいるけれど、『スター・ウォーズ』にはなっていないし、未知とも遭遇していない(笑い)。そういう未来があって、そのへんはすごくインスパイアされて作ってますね。すごく影響されて、(TM NETWORKの)基本になっている」と小室さんは語る。

 SF映画の世界に影響を受けたという小室さんだが、今は逆に、自身が作り出す音楽や演出で多大な人に影響を与える立場だ。「(スピルバーグらとは)次元が違うけれど……」と前置きした上で、小室さんは「僕が作った仕掛けとか演出についてのエピソードや感想を、ファンの方がソーシャルで書いてきてくれる」と喜ぶ。

 希代のエンターテイナーとして30年以上にわたってファンを魅了してきた小室さんは、エンターテイナーとしての自身や作品についてどう考えているのだろうか。小室さんは「もともとは好きで始めた(だけの)音楽が、これだけのすごい数の人が関わってくれたわけですから、そう考えると立派というか、職業として成立しているものなんだなと思います」と前置きした上で、「(音楽は)何か人にいい意味で影響を与えられるものというか……ある程度たけた才能を持った人間が、手を抜かないで(才能を)出し尽くしていると、(聴く側に)何か伝わるな、という気はします」と思いを語った。

 「8時間半一挙放送!TM NETWORK DAY」は24日午後1時半からWOWOWライブで放送。

<プロフィル>

 こむろ・てつや。1958年、東京都生まれ。音楽家。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、キーボーディストなど肩書多数。83年、宇都宮隆さん、木根尚登さんとTM NETWORK(のちのTMN)を結成し、84年に「金曜日のライオン」でデビュー。93年にtrfを手がけたことがきっかけで、プロデューサーとしてブレーク。以後、篠原涼子さん、安室奈美恵さん、華原朋美さん、H Jungle With t、globeなどを手がける。2010年、作曲家としての活動を再開。AAA、森進一さん、北乃きいさん、超新星、SMAP、浜崎あゆみさんら幅広いアーティストに楽曲を提供している。

 

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