タレントの関根勤さんが初監督した「騒音」が23日に公開される。2013年に関根さんが還暦と芸能活動40年を迎えたことを記念し、CSの「チャンネルNECO」の番組「映画ちゃん」で企画された。再開発が進む平和な街を舞台に、突然現れた謎の地底人から街を守るべく、地底人が吐く毒ガスに耐性を持つ“日本のオヤジ”がチームを結成し立ち向かう姿が描かれる。俳優の温水洋一さん、村松利史さん、酒井敏也さんらが主演を務め、お笑いコンビ「キャイ~ン」「ずん」なども出演。さらに関根さんと親交のある明石家さんまさん、タモリさん、小堺一機さんに加え、娘の麻里さんも“友情出演”するなど豪華な顔ぶれがそろっている。
ウナギノボリ
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再開発が進む東京・S区に、突然、手当たり次第に人間を襲う正体不明の怪物が現れる。政府は対策本部を設置し情報収集した結果、未確認生物の正体が「地底人」であることを突き止める。しかし、地底人が吐く有毒ガスに対抗手段が見つからないまま次々と人々が襲われていくが、有毒ガスに耐えられる人間がいることが判明。有毒ガスが効かない人間は、なぜか仕事や家庭で虐げられてきた“日本のオヤジ”たちだった。耐性を持つオヤジたちが集められ、猛特訓を経て地底人に戦いを挑むが……というストーリー。
この映画をひと言で言うなら“全部入り”という言葉がふさわしい。地底人に対する恐怖というホラー要素、近未来を感じさせるSFテイスト、地底人と戦うアクションシーン、オヤジたちそれぞれのドラマ部分、そして随所にちりばめられたコメディーなど、とにかく映画のあらゆるジャンルが盛り込まれている。そんなカオスに満ちた物語は、まるで関根さんの頭の中をのぞいているかのようで、いい意味での“くだらなさ”や“B級感”のオンパレード。また、ヒーローとなるのが日頃強いストレスを感じているオヤジたちというアイデアは痛快で、情けないはずが、どこかカッコよく見えてしまうから不思議だ。100個ネタが入っているという関根さんが好きな作品へのオマージュや、バラエティーあふれるキャストなどを探しながら見るのも楽しい。万人受けは難しいかもしれないが、ツボにはまれば腹を抱えて笑いたくなるはずだ。シネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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